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2020-05-28

【陸上】飯塚翔太がNTCで練習再開「初めてプールに入った子供のよう」

5月28日、リオ五輪男子4×100mリレー銀メダリストの飯塚翔太(ミズノ)が緊急事態宣言解除に伴い使用が認められたナショナルトレーニングセンターで練習を再開。久々の競技場の感触を楽しみながら、汗を流した。

写真上=NTCでの久々の練習を行った飯塚「家に帰ってきような感じした」
写真/田中慎一郎(陸上競技マガジン)

 飯塚にとっては4月上旬以来のナショナルトレーニングセンター(NTC)での練習。競技場に足を一歩踏み入れると「懐かしい感じがしたし、タータン(トラックの地面)の匂いして、楽しかった。初めてプールに入る子供のように、わーと楽しみながらできました」と、午前10時から約1時間半、ウォーミングアップからスタンディングでの100m×5本などのメニューをこなした。

 引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大には警戒が必要のため、この日は飯塚、チームメイトである110mハードルの金井大旺含めて4選手のみが使用。コーチ、トレーナーの立ち入りも禁止され、選手同士の私語も自粛を求められたというが、「やはりタータンで走ると身体への負担が違う。やっぱり反発力がすごい」ことを改めて実感しつつも、「やっと練習ができた」と楽しみながら時間を過ごしたという。

 3大会連続のオリンピック出場を狙う飯塚は、現時点では東京五輪の参加標準記録を突破していない。その上、世界陸連が11月30日までの競技会で出した記録はオリンピック参加資格の対象外となる方針を決めたため、実質的に来年以降の競技会で狙うこととなる。そのため、今年は選手によって競技会出場を控えて強化に徹する選手も出てくることが予想されるが、飯塚は「自分は普通に練習に取り組み、10月の日本選手権でしっかり力を出せるように頑張りたい」と青写真を描いている。

オンライン取材に応じた飯塚。久々の競技場での練習に充実感を漂わせていた
写真/編集部

 一方で、新型コロナウイルスに対する不安を完全に払しょくする意味でも、PCR検査を含めた検査をアスリートも受けられれば、という希望もある。

「今日も検温した上で練習に臨みましたが、正直、自分がクリーンなのかどうかは分からない。大丈夫かどうかは検査をしないと分からないので、可能な範囲でいいので、ドーピング検査同様に定期的な(ウイルス)検査をできたらうれしいです」

 しばらくは制限のあるなかでの練習を強いられるが、飯塚は競技場で練習できる喜びをかみしながら、「(タータンで走ることは)足への負担、感触が違うので、慣らすのに数週間が必要となっていくと思いますが、今できることをやっていきます」とじっくりと状態を戻していく予定だ。

金井大旺(ミズノ)のコメント
「いつも以上に新鮮な気持ちで走ることが出来ました。ナショナルトレーニングセンターにはチームメイトの飯塚さんや交流のあるアスリートもいて距離をとってですが、久々に日常会話もできてうれしかったです。これからケガに留意してやっていきたいと思います」

文/牧野 豊(陸上競技マガジン)

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