令和の学生三大駅伝開幕戦となる第31回出雲駅伝は10月14日、選抜チームを含む全21チームの出場で行われる。
優勝候補筆頭は、昨年度の箱根駅伝で初優勝を飾った東海大だろう。出雲駅伝では2年ぶり5度目の頂点を狙う。入学時から注目を集めてきた“黄金世代”が4年生になり、集大成のシーズンに学生駅伝三冠を目標に掲げている。三冠は過去に1990年度の大東文化大、2000年度の順天堂大、10年度の早稲田大、16年度の青山学院大が成し遂げており、東海大は史上5校目の栄誉に挑戦する。
※写真上/今シーズンのキーマンとなる阪口
撮影/田中慎一郎(陸上競技マガジン)
エントリーメンバー10人の内訳は、4年生が6人と最も多く、3年生と2年生が2人ずつ。4年生では昨年まで3年連続2区で区間2位のキャプテン・館澤亨次がハムストリングスを痛めた影響で外れたが、箱根駅伝優勝メンバーの鬼塚翔太、郡司陽大、小松陽平、阪口竜平、西川雄一朗に、出雲駅伝で過去2回区間賞の關颯人が入った。
注目は、両角速監督がキーマンに挙げた阪口だ。2年前の優勝時には1区区間賞で流れをつくったものの、昨年はケガで出場できずに悔しい思いをした。今年はエースとして主要区間を担う。出雲駅伝で主要区間とされるのは1、3、6区の3区間だが、阪口は前半区間の可能性が高そうだ。
また、9月29日の東海大記録会5000mでは、副キャプテンの西川が13分55秒51の自己新、關が14分00秒35、箱根駅伝8区区間新でMVPを獲得した小松が14分01秒58と、それぞれ順調な仕上がりを見せた。
3年生は西田壮志、塩澤稀夕がエントリーメンバー入り。箱根駅伝優勝を経験した西田は最長区間の6区を希望、スピードがある塩澤は1年時の全日本以来の出場を狙う。伸び盛りの2年生は好調の市村朋樹と、佐久長聖高(長野)時代から駅伝の実績がある本間敬大がエントリーされた。1年時に三大駅伝に出場した選手がいない学年で、デビューが待たれる。東海大記録会で13分55秒30と自己記録を伸ばした市村はチャンスがあるだろう。
どんなレースパターンになっても勝利をつかめる隙のない布陣ではあるが、できれば3区終了時にある程度リードを奪いたいところ。序盤の1、2区はどのチームにとっても重要だが、東海大は特に、これまで館澤が務めてきた2区の走りがポイントになりそうだ。
まずは初戦を取って、三冠獲得に弾みをつけられるだろうか。
※東海大の夏合宿リポートは陸上競技マガジン10月号増刊「大学駅伝2019秋号」に掲載
文/石井安里
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