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2019-01-03

【箱根駅伝2019】東海大が悲願の初優勝 優勝メンバーの声

3日、第95回箱根駅伝は復路109.6km(5区間)が行われ、2日の往路で2位につけていた東海大が、8区で前を走っていた東洋大を逆転し初の総合優勝を果たした。

※写真上=フィニッシュテープを切る東海大10区の郡司(写真/田中慎一郎・陸上競技マガジン・JMPA)

安定した走りで初の栄冠

 往路を終え、1位の東洋大と1分14秒差の2位につけていた東海大は、6区の中島怜利(3年)が区間2位でじわりと差を詰めると、7区・阪口竜平(3年)が東洋大との差を4秒まで詰めた。
 8区・小松陽平(3年)は序盤、東洋大・鈴木宗孝(1年)の背後にピタリとつけると、勝負どころの遊行寺坂の手前の14km過ぎでスパート。ここから一気に突き放して区間新の快走で東洋大に51秒差、復路に入って追い上げてきた3位・青山学院大にも4分29秒差をつけ、優勝を手繰り寄せる。
 9区の主将・湊谷春紀(4年)は区間2位の堅実な走りで東洋大に3分35秒差をつけてタスキをつなぐ。10区・郡司陽大(3年)は青山学院大の猛追を悠々と交わして大手町のフィニッシュへと飛び込み、46回目の出場にして悲願の初優勝を10時間52分09秒の大会新で飾った。
 また大会MVPに当たる金栗杯は、22年ぶりに8区の区間記録を更新して優勝に大きく貢献したということで、東海大8区の小松が獲得した。
 青山学院大は復路で6区・小野田勇次(4年)が区間新、7区・林奎介(4年)、9区・吉田圭太(2年)が区間賞と5区間中3区間で区間賞を獲得。往路3区の森田歩希(4年)を含めると4区間で区間賞を獲得したが、追い上げ届かず2位で箱根駅伝5連覇はかなわなかった。
 以下、東海大両角速監督と優勝メンバーのコメント。

両角速監督

「何度も優勝のチャンスありながら、ここ数年きましたが、いろいろなチャレンジと反省繰り返して初優勝ができました。
(これまで5、6区が固定できないということを言っていましたが?)
 正直そういう選手と巡り会えるかということが大きいと思います。西田(壮志、5区)はスカウトの段階からそういう適正に優れているという情報を得ていたので、なんとか西田を取りたいという思いがありました。中島に関しては1年から経験していて、年々、タイムを上げてきていた。下りに得意意識があり自信を持って臨めている。それぞれの特長を箱根で生かせる脚を持っていたと思います。
(往路が終わって1分14秒差をどう思っていたのか)
 1分14秒差でスタートしましたが、相手の力量が読めないところも正直ありました。ただ、湊谷を中心に後半は自信を持っていたので、6、7区で引き離されなければ勝機が見えてくると思っていました。
(ポイントとなった8区で小松陽平を起用した理由は)
 小松は高校時代は有名ではなく附属高(東海大附四高・北海道)から上がってきた選手でしたが、ケガに対する耐性がありました。ただ、今回は夏にケガをして出雲駅伝、全日本大学駅伝で走る機会を逸してしまいが、11月以降、箱根にかけていることが伝わってきました。直前の合宿も調子の良さがうかがえたので、いずれかの区間で起用したいと考えていました。8区での起用となったのは、小松以外の選手を当てはめていくなかで、得意、不得意のコースがあって、6区、10区で起用することも考えました。それでも動揺することなく、走れるチャンスを得て集中していたので、やってくれるのではと思っていました。

鬼塚翔太(3年)1区:1時間02分43秒:区間6位/通過6位

「これまで優勝候補にあげられながら優勝ができなくて悔しい思いをしてきました。そのなかで優勝できてうれしく思います」

湯澤 舜(4年)2区:1時間08分05秒:区間8位/通過5位

「優勝することができてうれしいです。チーム一丸となって優勝できたことはいい経験になったと思います」

西川雄一朗(3年)3区:1時間03分02秒:区間7位/通過4位

「チーム一丸となってやったことが総合優勝という結果につながったのは非常に良かったです。来年も3年生以下は残っています。現状維持は退化だと思うので、また強くなれるように頑張りたいと思います」

館澤亨次(3年)4区:1時間02分37秒:区間2位/通過2位

「本当にうれしいです。1年目に大きな失敗してから、2年経った箱根駅伝。今回はチーム全員で勝ち取った優勝だと思います」

西田壮志(2年)5区:1時間11分18秒※区間新:区間2位/通過2位

「今回の優勝はチーム一丸となって練習してきた結果だと思います。個人的には区間新でチームに貢献できて良かったです。来年も山の練習をして、もう一度区間新を出して、次は区間賞を取ってもう一度、総合優勝をしたいです」

中島怜利(3年)6区:58分06秒:区間2位/通過2位

「今回の駅伝は10人全員がミスなく、しっかりとタスキをつなげたことが優勝の要因だと思います。個人としては記録は良かったのですが、小野田選手(勇次、青学大4年)に区間新を出されて区間2位だったので、来年は57分57秒を切れるような走りをしたいと思います」

阪口竜平(3年)7区:1時間02分41秒:区間2位/通過2位

「今回7区を走らせてもらったのですが、往路から非常に良い流れで復路をスタートして、中島が本当に良い流れで自分につないでくれました。それをさらにいい流れにできるようにと東洋大学を必死に追いました。その結果、いい流れで後続にタスキをつなぐことができ、チーム全員が最大限の力を発揮して優勝することができたと思います」

小松陽平(3年)8区:1時間03分49秒※区間新:区間1位/通過1位

「初優勝は夢のような気持ちです。往路、6、7区と良い位置で持ってきてくれたので先頭に立つことができました。来年も優勝したいので、更なるレベルアップをしていきたいと思います。
 金栗杯については、こんな光栄な賞を頂けるなんて本当にうれしく思います。また来年も頂けるように頑張ります。8区に関しては自分はどこでもいいので走りたいという気持ちでした。練習も頑張ってきましたし、監督に認められて8区起用してもらえて本当に良かったです。
(仕掛けのタイミングについて)
 東洋大と並走する形になったので、表情、動きを見て、苦しそうになってきたところで一気に勝負をつけようと思って仕掛けました」

金栗杯を獲得した8区・小松(写真/椛本結城・陸上競技マガジン・JMPA)

湊谷春紀(4年)9区:1時間09分36秒:区間2位/通過1位

「チームとして1年間、『速さを強さへ』というテーマでやってきました。その強さと言うところを発揮でき、勝利につながったと思います。これに満足せずに上を目指して頑張っていきたいと思います」

郡司陽大(3年)10区:1時間10分12秒:区間3位/総合優勝

「1区から9区まで強い走りを見せてくれて、自分は自分の走りができたので良かったです。人生で初めてフィニッシュテープは自分でいいのかなという思いもありましたが、切ることができて本当にうれしいというか幸せです」

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