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2018-12-26

箱根駅伝 チーム別展望17 神奈川大 新たな歴史のためにシード権を

箱根駅伝のエントリーメンバーからチーム別に展望する17校目は神奈川大。今季は主力が抜け戦力低下も危ぶまれたが、シード権を十分に狙えるところまできた。来季以降につながる大会となるか。

※写真上=これまでは1区で起用されることの多かった山藤は、どの区間で起用されるか(写真/JMPA)

神奈川大チームエントリー

神奈川大     5000mSB  10000mSB
枝村 高輔(4) 14分36秒20 29分33秒58
佐久間勇起(4) 14分45秒60 
田中 翔太(4)  ――     ――
田中 尚人(4) 14分57秒35  ――
多和田涼介(4) 14分04秒84 30分05秒44
山藤 篤司(4) 14分13秒49 28分35秒41
荻野 太成(3) 14分20秒00  ――
越川 堅太(3) 14分01秒99 28分53秒11
藤村 共広(3) 14分18秒37 29分45秒30
森  淳喜(3) 14分40秒10 29分53秒13
安田 共貴(3)  ――    29分57秒92
井手 孝一(2)  ――    30分16秒57
小笠原峰士(2) 14分32秒68 32分15秒33
北﨑 拓矢(2) 14分13秒38 29分40秒71
原塚 友貴(2) 14分35秒63 30分42秒47
安田  響(1) 14分29秒96 29分54秒29
チーム平均     14分26秒89 29分57秒77
※箱根駅伝エントリーメンバーと5000m、10000mの今シーズンのベストタイム(12月14日現在)

3年生がチームの主力に

 昨季はエースの鈴木健吾(現・富士通)を軸に全日本大学駅伝を制し、箱根駅伝でも優勝候補の一角に数えられた神奈川大。しかし、本番では5区にブレーキがあり、総合13位で終えた。

 今季は鈴木を含め前回経験者5人が卒業。我慢の1年になるかと思われたが、チームを指導して29年目になる大後栄治監督の下、シード権を十分に狙える陣容となった。

 前回は鈴木とともにダブルエースを担った山藤篤司が今回もチームを支える。さらには1年時から箱根を経験している越川堅太が双璧をなす存在に。この両輪がチームの浮沈のカギを握ることになりそうだ。さらには3000mSCで関東インカレ2部3連覇中の荻野太成、ロードで強さを発揮する安田共貴ら3年生世代がチームの中心に成長した。

 下級生はここまで目立った成績は残していないが、力のある選手が揃っている。2年生では井手孝一、北崎拓矢、小笠原峰士が予選会でしっかりと結果を残した。1年生からは安田響がメンバー入り。予選会で結果を残した川口慧はエントリーから外れた。

今季、成長した越川はエースと呼べる存在に(写真/JMPA)

往路でどう流れを作るか

 前回までは1区で安定して結果を残してきた山藤だが、1区は展開によってタイムを左右されることもあり、今回は「流れを作る」よりも「流れを変える」役割を担うことになりそうだ。とはいえ、シード権を獲得するためには往路でしっかりと上位にいることが重要で、2、3区に山藤と越川を投入する可能性が高い。

 山の特殊区間は経験者がともに残るが、前回5区の荻野は平地区間に回ることを大後監督は明言。スピードもあるだけに1区での起用もありえる。今回は予選会後に全日本を回避していた小笠原あたりが候補に挙がる。前回の山下り6区は安田共で今回は区間上位も期待されるが、走力があるだけに他の選手に目途が立てば平地区間での起用もある。それだけに5区をうまくつなぐことができれば、復路も順調に流れるだろう。残る区間は4年生の枝村高輔、佐久間勇起、多和田涼介に、井手、北崎、安田響あたりが担うことになりそうだ。

「来季以降は上位で争えるチームなので、ここで踏ん張ってシード権を残したい」と4年生の山藤。神奈川大の新たな歴史を築く礎の大会となるか。

文/早川大介

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