2019年1月2、3日に行われる箱根駅伝は、今回は記念大会のため23チームが出場する。その全チームをエントリーメンバーから分析。まずは史上3校目の箱根駅伝5連覇、そして史上初の2度目の三冠を狙う青山学院大から展望していく。
※写真上=全日本大学駅伝でタスキをつなぐ森田(左)と梶谷(写真/中野英聡・陸上競技マガジン)
青山学院大 5000mSB 10000mSB
小野田勇次(4) 13分59秒18 28分57秒30
梶谷 瑠哉(4) 14分01秒30 28分39秒07
橋詰 大慧(4) 13分37秒75 28分28秒08
橋間 貴弥(4) 14分08秒68 29分37秒74
林 奎介(4) 13分57秒41 28分40秒11
森田 歩希(4) 13分54秒18 28分51秒26
山田 滉介(4) 14分04秒81 29分29秒86
生方 敦也(3) 13分59秒61 29分08秒39
鈴木 塁人(3) 13分56秒25 28分54秒96
竹石 尚人(3) 14分06秒04 29分22秒79
吉田 祐也(3) 14分02秒18 29分44秒26
岩見 秀哉(2) 14分03秒09 28分49秒13
神林 勇太(2) 13分58秒70 29分23秒52
吉田 圭太(2) 13分56秒18 28分27秒40
飯田 貴之(1) 14分07秒55 ――
湯原 慶吾(1) 14分00秒71 28分53秒57
チーム平均 13分59秒60 29分01秒83
※箱根駅伝エントリーメンバーと5000m、10000mの今シーズンのベストタイム(12月14日現在)
前回、見事に箱根駅伝4連覇を達成した青山学院大は今季、田村和希(現・住友電工)、下田裕太(現・GMOアスリーツ)というダブルエースが抜け、戦力ダウンも予想された。しかし、ふたを開けてみれば個々の能力の高さ、そして類を見ない選手層の厚さで他を圧倒する強さで出雲駅伝、全日本大学駅伝を制し、史上初となる2度目の大学駅伝三冠に挑戦する。
12月10日に発表された選手エントリーも順調そのものだ。原晋監督が三本柱と呼び、出雲、全日本でも優勝の原動力となった森田歩希、橋詰大慧、鈴木塁人をはじめ、前回大会でMVPにあたる金栗杯を獲得した林奎介などエースと呼べる選手が名を連ねる。
さらには今季、急成長し出雲4区、全日本6区と連続区間賞を獲得している吉田圭太、アップダウンの激しい世田谷ハーフで1時間03分13秒の自己新をマークした岩見秀哉など、新戦力も台頭した。
そして特殊区間と呼ばれる山上り5区には原監督が「新・山の神になります」と期待を寄せる竹石尚人、山下り6区には前回区間賞で今回は区間新に挑む小野田勇次と強力な経験者が控える。
他にも今年3月の日本学生ハーフを制した梶谷瑠哉、日本インカレ10000m3位(日本人トップ)で全日本5区区間賞の吉田祐也、前回大会で10区を走りゴールテープを切った橋間貴弥など、穴のない布陣だ。
これだけのメンバーがそろえば、10区間の箱根駅伝でも自由自在のオーダーが組める。確定と言えるのは特殊区間の5区・竹石、6区・小野田くらいだろう。前回大会でエース区間の2区で区間賞を獲得した森田も2区が有力視されているが、状態やチーム戦略次第では他の区間に回る可能性もある。前回1区を走った鈴木は「1、2、3区もあれば、4、8区もあると思う」と、語っている。
駅伝の基本戦術は先手必勝だ。しかし、原監督は前回まで3年連続で下田を8区で起用したように、復路にもエースを起用する傾向にあるだけに、8区で勝負を決める役割を担う可能性もある。
比較的フラットな1、3区はスピードのある橋詰、吉田圭が起用されそうだ。細かな起伏があり、終盤に上りが続くタフな4区は世田谷ハーフで実績を残した岩見が走る可能性もある。前回、7区で区間記録を樹立した林は今回も同区間となりそうだ。
とはいえ、先述した通り、どのようにでもオーダーを組める選手層の厚さが青山学院大の強み。しっかりと箱根に合わせる原監督の手腕も見事のひと言で、よほどのことがない限り、優勝への最短距離にいるといえるだろう。
文/早川大介
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