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2020-09-26

【陸上】日本選手権展望・男子走幅跳/橋岡が抜きん出た状態。さらなるビッグジャンプなるか?

橋岡は9月上旬の日本インカレと同じ会場でさらなるビッグジャンプとなるか?  撮影/中野英聡(陸上競技マガジン)

10月1日(木)からデンカビッグスワンスタジアム(新潟)で開催される陸上の第104回日本選手権。男子走幅跳は、9月の日本学生選手権で自己2番目の記録(8m29)をマークした橋岡優輝(日大4年)が優勝候補筆頭だ。


→競技日程
10月2日(金)/決勝:18時20分~
→記録
日本記録 8m40(+1.5)/城山正太郎(ゼンリン・2019年)
大会記録 8m20(+1.8)/寺野  伸一(サンクラブ・2004年)

好調の橋岡が抜け出た状態

 日本選手権3連覇中で昨年のドーハ世界選手権で日本人史上初の8位入賞を果たした橋岡優輝(日大4年)が頭一つ抜け出た状態だ。

 今季初戦となった8月23日のゴールデングランプリ(GGP)では優勝するも、7m96と記録的にはいまひとつだったが、GGPから修正を図って臨んだ9月の日本学生選手権(インカレ)では圧巻の跳躍を見せた。

 今季の特別ルールで跳躍回数が最大で4回に限られていたが、1回目の跳躍で2位の最終記録を上回る7m92(+1.1)をマークすると、2回目に8m06(-0.2)、そして最終跳躍では自身が描いていた理想に近い踏切を実践し、8m29(-0.6)のビッグジャンプ。昨年、マークした自己ベスト8m32に次ぐ記録で会心のガッツポーズを見せた。

 橋岡は4月に100mで10秒53と自己記録を0秒26も更新。助走スピードに磨きをかけた上、理想の踏切を模索してきた。また、元日本記録保持者で、橋岡を指導する森長正樹コーチは「立ち五段跳びも18m10を跳び、コントロールテストの種目はすべて僕を上回った」とベースとなるフィジカル強化を進めてきた。その成果が自身が納得する跳躍内容、そして結果に出たことは来年に向けても大きな手ごたえとなった。

 日本選手権の決勝は夜の6時20分開始。10月の新潟ゆえ、当日の気温に左右される部分もあるが、戦いの舞台は、1カ月前に大きな自信をつかんだ日本インカレと同じ会場。日本選手権4連覇はもちろん、8m20の大会記録更新は十分狙えそうだ。

城山、津波はどこまで上げてくるか?
立命大の吉田にも注目

 昨年の世界選手権11位で8m40の日本記録保持者である城山正太郎(ゼンリン)はいまひとつ波に乗り切れていない。GGPでは3位(7m71/+1.0)、昨年8m40を跳んだAthlete Night in FUKUI(福井)も4位(7m75/+1.8)と調子が上がらない。コロナ禍でウェイトトレーニングができず、筋力が落ちていることもあり、GGPでは助走スピードが出ていなかったという。

 日本選手権は「まずは2019年の跳躍を取り戻すことが一番大切。そこで記録だったり、順位だったりが付いてくれば」と、跳躍内容に集中していく。
東京五輪参加標準突破済みの津波
東京五輪の参加標準記録を突破済みの津波 撮影/中野英聡(陸上競技マガジン)

 昨年8m23の日本歴代4位を出して世界選手権代表になった津波響樹(大塚製薬)、4月に7m96の今季日本最高を跳んだ小田大樹(ヤマダ電機)、福井で8m05(+2.7)を跳び優勝した吉田弘道(立命大3年)らも、上位をうかがう。

 要注目なのが急成長中の吉田である。福井の4日後の100mは10秒89(−3.0)だったが、向かい風を考えれば大幅自己新に値する。助走速度が向上したことに、空中動作を7月からシザースに変更したことがマッチした。

 福井の1本目に7m86(+2.5)を跳んだとき、朝原宣治が持つ8m13の関西学生記録を「今日、抜いてやろう」と意識したという。

 今大会は適用期間外だが、東京五輪標準記録の8m22をすでに城山、橋岡、津波の3人が破っている種目。それが来年4人以上になったとき、国内選考からし烈を極めることになる。五輪イヤーの激戦を予感させる日本選手権になることを期待したい。

※この記事は「陸上競技マガジン10月号」に掲載された内容に加筆、訂正を加えたものです。

文/寺田辰朗、編集部

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