9月23日、女子100mHの寺田明日香(パソナグループ)と男子短距離の桐生祥秀(日本生命)がオンラインイベント「陸上トップアスリートオンライン対談~限界突破への挑戦~」を行った。二人が所属する日本生命保険と、パソナグループの初のコラボイベントで、目標達成やキャリアについて対談した。
写真提供/「陸上トップアスリートオンライン対談~限界突破への挑戦~」広報事務局
→競技日程
10月1日(木)/決勝:14時30分~
→記録
日本記録 66m00/北口榛花(日大・2019年)
大会記録 62m36/海老原有希(スズキ浜松AC・2012年)
9月19日の全日本実業団対抗選手権で63m45の大会新で制した北口榛花(JAL)が優勝候補筆頭だ。
北口は昨年10月に66m00の日本新記録を樹立し、すでに東京五輪参加標準記録(64m00)を突破済みの第一人者。新型コロナ禍の影響で東京五輪が1年延期となったことを受け、新たな取り組みとして、助走の局面ごとの歩数を替える試みを行ってきた。
助走全体の歩数は16歩と昨季と変わらないが、保持走(やりを右肩に保持した状態で、正面を向き、投てき方向に向かう局面)を8歩から10歩に、クロス走(体側を投てき方向に向け、足をクロスさせて勢いをつける局面)を8歩から6歩とした。保持走を長くすることで全体の助走スピードを上げることが狙いである。
初戦となった8月23日のセイコーゴールデングランプリ(GGP)では優勝こそしたものの、60mにも届かず、「クロス走を減らした分、やりを引く時間が短くなって安定していない」と反省。その結果を受け、修正を図り臨んだ9月の全日本実業団対抗選手権では、その課題を修正し、結果に結びつけた。
「GGPより確実に成長した自分を出すことができました。クロスの歩数を減らしてから遅れていたやりを引くタイミングも合うようになってきています」
日本選手権でのさらなるビッグスローへの期待は高まる。
北口を追うのは、昨年のドーハ世界選手権代表の佐藤友佳(ニコニコのり)と、2年前の優勝者である斉藤真理菜(スズキAC)。
斉藤はGGPでは58m64で2位。北口には敗れたが1m以内の差にとどめ、腰を痛めて60mに届かなかった昨シーズンの不調は脱した。
「パワーは上がっています。後はスピードへの体の使い方」という課題が解消されれば、2年ぶりの60m、3年ぶりの自己記録(62m37)更新へと向かっていける。
昨年の日本選手権で62m88(2位)の日本歴代3位を投げた佐藤は、GGPは57m95で3位、全日本実業団では56m97で2位といまひとつ乗り切れていないが、今年2月には南アフリカで60m59と、自己2番目の記録を投げている。6試技中3回60mを超え、アベレージ自己最高だった。
新助走をものにしつつある北口の有利に変わりはないが、優勝ラインが63mに届かなければ、斉藤、佐藤と接戦になる可能性も大いにある。
構成/寺田辰朗、編集部
※この記事は「陸上競技マガジン10月号」に掲載された内容に加筆、訂正を加えたものです。
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