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2020-10-14

【大学駅伝】東洋大の鈴木が1年半ぶりのレース「スタートラインに立てたことがうれしかった」

昨年のぎふ清流ハーフマラソン以来1年半ぶりにレースに臨んだ鈴木

10月11日(日)、出雲駅伝の代替試合として早稲田大学織田幹雄記念陸上競技場で、早大、明大、創価大、東洋大の4校による対校戦「トラックゲームズ ㏌ TOKOROZAWA」が開催された。この対校10000mのレースが、鈴木宗孝(東洋大3年)にとって、実に1年半ぶりの実戦になった。

「結果が出なかったということは物足りない感じがしましたし、悔しいです。今回、準備段階でなかなかうまくいかないところがあって、特に1週間前からの追い込み方に少し問題があったところは反省点ですね」

10000mを走り終えた鈴木は、開口一番、反省の言葉を口にした。その一方で、充足感も噛み締めていた。

「スタートラインに立てたことが、とてもうれしかったです。やっぱりこういうレースは楽しいなって思いました」


課題だった姿勢を改善

 鈴木は、氷取沢高(神奈川)在籍時に1年の冬までサッカー部に所属。その後、陸上競技部に転部するも、駅伝はほとんど経験したことがなかった。そんな未知数の“逸材”は、東洋大入学後に才能が開花し、1年目から全日本大学駅伝、箱根駅伝と2つの駅伝を走った。箱根では8区を走り、区間記録を樹立した小松陽平(現・プレス工業)を相手に積極果敢なレースを見せた。結局、東海大に逆転を喫したものの、区間3位(当時8区歴代10位)と好走を見せた。

 2年目は東洋大の主力としてさらなる活躍を期待されていた。しかし、昨年9月に小転子を疲労骨折し、駅伝シーズンを棒に振った。さらに「駅伝を走れないんだ……と気持ちが下がり、立ち直るのに時間がかかってしまったんです」と悪循環にはまると、自律神経を乱し、疲労が蓄積し、復帰が遠のいた。

 だが、新型コロナ禍の自粛期間に自分自身と向き合えたことで、復活のきっかけをつかんだ。鈴木は「(サッカー部出身という)純粋な長距離選手ではないことの強みを再認識し、夏合宿からしっかり走り込みができるように体をつくりました」と原点に立ち返った。また、その間には、“姿勢”を見直したという。

「もともと猫背で、サッカーをやっているときから姿勢が悪いと言われてきました。内臓も強くはないのですが、姿勢をよくすれば、内臓も動くし、内臓が動けば、股関節もしっかりと動いてくれる。それに連動して、脚にも力入ることが分かった。普段から姿勢は大事だなと思っています」

 そして、一夏を超えて、対校選手の座をつかめるまでに力を戻し、いよいよ実戦復帰を果たした。今大会は、昨年4月28日のぎふ清流ハーフマラソン以来のレースになった。

 酒井俊幸監督は「(10000mで)28分台で走れるくらいまでは戻ってきている」と太鼓判を押したが、復帰初戦は29分45秒97で20位と不本意な結果だった。だが、久々のレースでは辛酸を舐めたものの、実戦感覚を取り戻していけば、これから徐々に調子を上げてくるだろう。


長い距離の区間で勝負したい

 鈴木は「純粋な長距離選手ではない」と自認するものの、1年時に12%だった体脂肪は9%にまで落ちた。体重も、最高で63㎏まであったのが57㎏に。昨年までは少しふっくらした印象もあったが、今ではすっかり“長距離ランナー体型”だ。

「長い距離に適性があると思っているので、長い距離の区間で勝負して、淡々と走れたらいいなと思います。全日本なら7区か8区。箱根なら9区を走りたい。(箱根9区は)地元の横浜駅を通りますし、ずっと親しんだ道なので」

 鈴木は、2年ぶりの駅伝で快走を誓う。

 相澤晃(現・旭化成)らが卒業した今季、日本インカレで好走した西山和弥(4年)に続き、鈴木が復活。鉄紺ファンならずとも、待ちに待った明るい話題になった。

文・写真/和田悟志

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