名古屋ウィメンズマラソンから一夜明けた3月9日朝、一山麻緒(ワコール)が取材に応じた。体の状態や好記録(2時間20分29秒=日本歴代4位、国内日本人最高、女子単独レース日本記録)の背景、五輪に向けての抱負などを話した。

レース後の会見で永山監督と握手を交わす一山
撮影/井出秀人(陸上競技マガジン)

——よく寝られましたか。

一山 3時間くらい寝ました。

——昨日の結果を、一夜明けてどう実感されていますか。

一山 朝起きて見える景色が変わったとかはなくて、良い天気だな今日は、と思いました。

——ご自身の走りを振り返られましたか。

一山 部分部分ですが、(映像を)見ました。今までのマラソンは30km以降で失速していましたが、そこで失速しないで、自分で行くことができました。一番やりたかったレースができました。

——5カ月先(五輪)へのプランはもう考えていますか。

一山 ここで練習して、とかプランはまだ分かりませんが、(永山忠幸)監督はもうメニューを考えられていると思います。その練習をしっかりこなせるように、私はまず体を、ケガをしないで過ごしていきたいです。

——祝福の連絡がたくさん来ましたか。

一山 たくさん来ました。色んな人から応援されているんだな、と実感しました。

——特に印象に残っているものは?

一山 高校(出水中央高・鹿児島)の先生が昨日も応援に来てくださったんですが、大会前に「新たな歴史を作ろう」とLINEをいただいていて、終わった後も「新しい歴史を作ったね」と喜んでいただきました。それには電話で直接、「ありがとうございました」とお礼を言いました。

——厳しい練習をしてきたということでしたが、それをするために変えたこと、意識してきたことがありますか。

一山 MGCの前までもやもやがありました。監督が考えている理想と私の走りが一致しなくて、コミュニケーションも上手く取れなくて、ぎくしゃくしている部分がありました。そういう気持ちがあると練習にも集中しきれなくて、中途半端な練習になっていました。MGC前は今までにないくらい、できないことがあったんです。MGC後に監督と面談したときに思っていることを全部話して、監督も思っていることがあったら何でも言ってきて、とおっしゃってくれて。それからは「こうしたいです」とはっきり言うようにして、コミュニケーションがとれるようになりました。気持ちがすっきりすると、心がすごく軽い状態で練習もできるようになりました。そこがMGC前との違いでした。

——体のダメージは?

一山 筋肉痛はちょいちょいありますが、悪い筋肉痛じゃないと思います。(その部分を)使えたんだな、という感じです。

——(厚底の)新シューズでフルマラソンを走ったダメージは?

一山 あのシューズを履いたからここが張ってしまった、とかはありません。前腿とかがちょっと筋肉痛なんですが、シューズをしっかりはきこなしたからかな、と思います。

——これまでの3本のマラソンとの違いは?

一山 今までは30km以降、足裏が痛くなって前に地面を蹴ることができない走りになっていましたが、昨日は足裏を気にせずしっかり走れたので、自分のしたい走りができました。

——五輪まで5カ月。世界との距離を縮めるために必要なことは?

一山 世界とのタイム差はまだまだ大きいので、世界トップの人たちと勝負するには、スピード持久力が必要になってきます。1km毎でも今回よりもっと速いタイムで走らないと、(世界記録の)2時間14分台には全然追いつきません。これからもスピード持久力をつけていかないと、と思っています。

構成/寺田辰朗

画像: ペースメーカーが外れた32㎞付近で後続を突き放す一山 撮影/中野英聡(陸上競技マガジン)

ペースメーカーが外れた32㎞付近で後続を突き放す一山
撮影/中野英聡(陸上競技マガジン)

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