現地2月27日深夜、米育成プロリーグ「The Spring League(TSL)」は3月1日の日本代表(藤田智ヘッドコーチ)との対戦に向け、チームのロースターを発表した。総勢は34人で、オフェンスが17人(QB2人、RB3人、WR5人、TE1人、OL6人)。ディフェンスが15人(DL6人、LB3人、DB6人)、スペシャルチーム2人(K1人、P1人)。
NFLで公式戦出場経験のある選手は、既報のQBザック・メッテンバーガー、RBアントニオ・アンドリュース、LBポール・ドーソンら。一部メディアは7人のNFL経験者がいると報じたが、その「経験」がキャンプやOTA(ミニキャンプ)への参加まで含んだものであれば、レベルに大きな差があって、ひとくくりにはできない。
QBはメッテンバーガーと、23歳のジェームス・タバリーの2人体制。タバリーは米NCAAのFCSマクニーズ州立大(ルイジアナ州)の出身で、NFLセインツのミニキャンプ参加経験もあるという。スタッツを見る限り、典型的なポケットパサーで、やはり大型ポケットパサーのメッテンバーガーと合わせ、積極的に走るタイプではない。少なくとも、過去数年のXリーグで活躍したQBデビン・ガードナーやベンジャミン・アンダーソン、あるいはイカイカ・ウーズィーといったクラスのラン能力はない。QBによるデザインされたランプレーはかなり限定的となりそうだ。
ヘッドコーチを務めるテリー・シェアさんは73歳でコーチ経験50年を超すベテラン。2000年代の最初の10年にチーフスやベアーズ、ドルフィンズ、ラムズでQBコーチやオフェンスコーディネーターを歴任した。近年は、米に多数ある育成リーグ系のチームでコーチを務めていた。
米国人が米国の地、それも全米屈指の「フットボールステート」であるテキサスで他国のチームと戦う以上、並大抵のチームでないだろう。一方で、一握りの選手を除けば、現在Xリーグに来日している米国人の方が、実績や実力では遥かに上回る選手が多いのも事実だ。「山より大きな猪は出ない」。臆することなく戦ってほしい。【小座野容斉】
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