【アメフト】甲子園ボウル、関学大が日大破り3連覇　ミルズ杯は関学大QB奥野

 アメリカンフットボールの東西大学王座決定戦、第75回毎日甲子園ボウルが、12月13日、阪神甲子園球場で行われ、関西学院大学ファイターズ（関西学生Div.1 1位）と日本大学フェニックス（関東大学TOP8 1位）が対戦。関学大が42―24で日大を破って、3年連続31回目の優勝を果たし、自校の持つ最多優勝回数記録を更新した。関学大は来年1月3日の日本選手権・ライスボウルで、12月15日に行われるジャパンXボウル（富士通フロンティアーズ対オービックシーガルズ）の勝者と、日本一をかけて対戦する。

第75回毎日甲子園ボウル(2020年12月13日、阪神甲子園球場)
関西学院大学ファイターズ○42-24●日本大学フェニックス


甲子園ボウル【関学大 vs 日大】試合後、お互いの検討を讃えあう関学QB奥野と日大QB林＝2020年12月13日、撮影:佐藤誠

年間最優秀選手賞のチャック・ミルズ杯には、関学大のQB奥野耕世（4年）、甲子園ボウル最優秀選手には、関学大RB三宅昂輝（4年）が選ばれた。奥野はこの試合でパス320ヤード2タッチダウン（TD）というパフォーマンス。三宅はランで123ヤード3TDの活躍を見せた。甲子園ボウル敢闘賞には、ラン141ヤード1TDの日大RB川上理宇（4年）が選ばれた。


甲子園ボウル【関学大 vs 日大】甲子園ボウルMVPとなった関学大RB三宅。ラン123ヤード3TDの活躍を見せた＝2020年12月13日、撮影:佐藤誠

＜試合経過＞

第1クオーター、関学大が先制した。オープニングのキックオフリターンでRB三宅が75ヤードのビッグリターンを見せて敵陣に大きく攻め込むと、QB奥野がWR梅津一馬に11ヤードのタッチダウン（TD）パスを決めた。対する日大は、川上や秋元旻宰らRBのランやスクリーンパスで前進すると、柴田健人がタックルを引きずりながら7ヤードを走ってTDを返した。日大は次のドライブでも、QB林大希がWR大通広志へプレーアクションからの4ヤードTDパスを決めて逆転した。

第2クオーター、関学大は、ノーハドルオフェンスでテンポ良く攻めると、RB三宅が13ヤードを走ってTD、同点とした。関学大は、ディフェンスでも、タテに攻める日大のランに徐々に対応、日大のオフェンスを連続でパントに追い込んだ。
その後、QB奥野のショベルパスもからめて日大陣に深く攻め込むと、ゴール前1ヤードからのフォースダウンギャンブルで、WR大村隼也のジェットモーションでTDを奪って逆転した。日大は、RB川上がタックルされた地点からセカンドエフォートで20ヤード近くゲインする驚異的なランで攻め込むが、前半終了間際のフィールドゴール（FG)は失敗。関学大が21－14とリードして、後半へ折り返した。

第3クオーター、関学大はQB奥野のブーツレッグからのパスなどでゲインを重ねると、ゴール前ではRB三宅をQBに入れたワイルドキャット。三宅がエンドゾーンに走り込み28－14と差を広げた。

第4クオーター、日大はRB川上が78ヤードを快走するTDランで追い上げるが、関学大も奥野からWR糸川幹人にTDパスが決まり、点差が縮まらない。日大K福岡勇斗のFGで11点差とされた次のドライブで、関学大はリバースプレー。RB三宅が、自軍の巧みなダウンフィールドブロックを生かしてエンドゾーンまで53ヤードを走り切り、日大を突き放した。後がない日大は、この試合、ほぼ封印してきたQB林のロングパスに望みを託すが、フォースダウンギャンブルも失敗、力尽きた。

関学大はオフェンス79プレーでパス320ヤード、ラン263ヤード、トータル583ヤード、6TDの猛攻だった。ファーストダウン更新は31回（ラン15、パス16）に及んだ。

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日大QBの林大希は右の肩鎖関節靭帯断裂の重傷だった。11月29日の関東大学TOP8の1位決定戦で負ったもので、試合後、本人が明らかにした。

甲子園ボウル【関学大 vs 日大】敢闘賞の日大RB川上は両チームの中で最高のラン141ヤードを記録した＝2020年12月13日、撮影:佐藤誠

甲子園ボウル【関学大 vs 日大】日大QB林は、右肩負傷でロングパスをほぼ投げられず。それでも巧みなクオーターバッキングで関学大ディフェンスを苦しめた＝2020年12月13日、撮影:佐藤誠