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2020-12-15

【ボクシング】複数階級制覇は、真実の強さの証明──!?

5階級制覇に到達した80年代最大のライバル、トーマス・ハーンズ(右)とレナード

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大晦日に決戦を迎える井岡一翔(Ambition)対田中恒成(畑中)戦、最大の関心は日本人初の4階級制覇チャンピオンと、同じくふたりめを目指す挑戦者の一騎打ちであることだ。階級制であるプロボクシングで複数の階級で世界一になることは、ボクサーの力を歴史に示す物差しになる。新たな階級が増やされ、世界タイトル認定団体が4つに増えても、その事実に変わりはない。ボクシング・マガジン1月号では、史上に輝く多階級制覇チャンピオンを特集している。

 フライ級からヘビー級まで8階級しかなかった昔(一時的にスーパーフェザー級、スーパーライト級は存在)、どんなに強いボクサーでも3階級制覇がやっと、最高難度の業績と言われてきた。実際に1938年にフェザー級からウェルター級まで3階級のチャンピオンシップを同時に手したヘンリー・アームストロング’(アメリカ)以来、半世紀も3階級制覇王者は出現しなかった。
 ジンクスを破ったのは、1980年代最大のライバル、トーマス・ハーンズ、シュガー・レイ・レナード(いずれもアメリカ)のふたりだ。彼らはウェルター級をスタートラインに重い階級へのチャレンジを続け、ライトヘビー級世界王座にたどり着いたのは1988年11月4日と7日。たった3日違いで。ともに5階級制覇を成し遂げた。

 その後、階級の増設、4つの世界タイトルが並立する時代の恩恵にもあずかって、多数のマルチウェイト・チャンピオンが誕生するのだが、そんな彼らの大多数は、ときのヒーローばかりである。

権威あるリング誌ベルトを加えると、パッキャオは8階級制覇になる

 ボクシング・マガジンでは、まずは複数階級制覇者のリストの読み解き方に始まり、とっておきのファイターたちの“戦いの処方”をピックアップしていく。マニー・パッキャオ(フィリピン)、フロイド・メイウェザー(アメリカ)、オスカー・デラ・ホーヤ(アメリカ)、そしてハーンズ、アームストロングだ。

どん欲に技術を追求したデラ・ホーヤ

写真◎ゲッティ イメージズ

ボクシング・マガジン 1月号

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