close

2020-12-16

スマイルスポーツ・アスリートインタビュー 金子和也(ゴールボール) 「金メダルも国家試験も、両方獲りたい!」

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • line

まだ20歳ながら日本のゴールハンターとして活躍が期待される金子は、東京パラリンピックでの金メダルを目指すアスリートであり、同時に現在は国家資格の取得も目指す「文武両道」を地で行く

全ての画像を見る

金子和也選手はサウスポーから繰り出されるスピードボールで得点を決めるゴールゲッターだ。ゴールボールとの出会い、そして延期となってしまった東京2020パラリンピックについて、日本代表の若きエースの思いを、スポーツ情報マガジン「スマイルスポーツVol.84」のインタビューで語ってくれた。(※インタビューは2020年10月15日に行いました)



ゴールボールは『静寂のスポーツ』と呼ばれ、インプレー中は音を出せないため客席は静まり返っている。ボールがネットを揺らして得点が入ると、静寂は大歓声へと変わる。静寂を歓声に変える、日本代表の得点源となっているのが、金子和也選手だ。 

金子選手は兄と姉の影響で物心がつく前から野球を始めた。ピッチャーとしてチームの中心的存在となり、メジャーリーガーを夢見て白球を追いかける毎日を過ごしていた。そんな金子選手に異変が起きたのは小学4年生のとき。レーベル視神経症を発症し、視力が低下。野球をプレーすることができなくなってしまったのだ。

中学に入ってもマネージャーとして野球部に在籍。3年生となり部活を引退した 2014年の夏、金子選手にとって、その後の人生を変える転機が訪れる。母親の勧めでパラスポーツ次世代選手発掘プログラムに参加。ここで、ゴールボールと出会った。

「ゴールボールは競技の名前と雰囲気を知っていたくらいで知識はゼロでした。ただ、何か打ち込めるものがあったらと思って、最初は軽い気持ちで参加しました。このとき、当時の日本代表選手たちが、デモゲームを見せてくれて、直接指導もしてくれました。教えてもらったように投げたら『ナイス、ナイス。いいボールだよ』と言ってもらって、それがすごく嬉しかったんです。野球ができなくなってから心にぽっかり穴が開いたような感じだったのですが、ゴールボールを見て、やってみて、ワクワクしたし、挑戦したいという気持ちが沸いてきました。野球と同じチームスポーツという部分にも惹かれました」


高校生で日本代表に選出されて以降、金子の左手から繰り出されるスピードボールは日本の武器となっている(©︎市川亮/一般社団法人日本ゴールボール協会)

チーム唯一のサウスポーであり、トップクラスのスピードボールを投げる金子選手はメキメキと力をつけ、世界選手権やアジアパラ大会といった大舞台も経験。東京2020パラリンピックの代表にも内定した。ところが新型コロナウイルスの影響で、パラリンピックは延期。これは大きな誤算だった。

金子選手は 2021年2月にあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師などの国家試験を控えている。本来ならパラリンピックが終わってから勉強に集中するはずだったが、競技と勉強の両立を余儀なくされてしまった。

「正直に言うと、気持ち的にも身体的にもきつい部分はあります。合宿はお休みさせてもらいますが、スタッフやコーチと相談して、計画通りに勉強とトレーニングをしていけば、技術や体力が大幅に落ちることはないと思っています。今が踏ん張りどころです。自分は叩かれて伸びるタイプというか、『金子もっと頑張れ!』と言われていたほうが、やりやすいです。だから“国家試験もパラリンピックも頑張れ”と言われるのは嫌ではないです。日の丸を背負うのは重たいですが、重いからこそ、やり遂げたときの達成感も大きい。僕は欲張りな性格なので、国家試験も金メダルも両方獲りたいです」

異なる目標を同時に追いかけるのは、確かに厳しいかもしれない。しかし、金子選手はこれまでも逆境を力に変えて乗り越えてきた。応援してくれる人たちの期待に応えるため、そして自分自身の夢を叶えるため、国家試験もパラリンピックの金メダルも全力で獲りにいく。


こちらのインタビューのほか、大好きだった野球を諦めた時の苦労や、高校時代に初めて参加した国際大会での経験など、金子選手のカラー2ページにわたるインタビューは、12月1日に(公財)東京都スポーツ文化事業団が発行した『スマイルスポーツVol.84』に掲載されています。



金子和也(かねこ・かずや)
2000年2月8日生、埼玉県出身。埼玉県立特別支援学校塙保己一学園/Amaryllis所属。中学3年生のときにゴールボールに出会う。2016年に初めて日本代表に選出され、国際大会に初出場。2018年の世界選手権、アジアパラ大会で活躍し、東京2020パラリンピック代表に内定している。



金子和也選手インタビューの全文が掲載されているスマイルスポーツVol.84は下記の公共施設、駅などで入手できます!

●駒沢オリンピック公園総合運動場
●東京武道館
●東京辰巳国際水泳場 
●区市役所広報課・情報コーナー・出張所
●都立図書館・区市町立図書館 
●区市町村生涯学習センター
●文化センター
●博物館
●市民センター
●教育会館
●コミュニティセンター
●区市勤労福祉会館
●郵便局(区市郵便局の一部)
●献血ルーム(一部)
●都営浅草線・都営三田線・都営新宿線・都営大江戸線の指定の駅構内 
●JRの指定の駅構内

入手先の詳細はこちら
 

スマイルスポーツWEB版はこちら
https://smilesports.jp/ 

金子選手の素顔が分かるQ&Aインタビュー動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=VOobLyfslWA&t=6s

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事