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2020-12-16

【ボクシング】元世界王者、沼田義明氏の『沼田ジム』が東日本協会から退会

現役時代、精密機械と呼ばれた沼田義明氏

東日本ボクシング協会は16日、定例理事会を開き、元世界スーパーフェザー級チャンピオン、沼田義明氏(75歳)が主宰してきた沼田ジムの退会、新日本木村ジムの木村七郎会長が勇退し、実子の英之氏(51歳)が新会長に就任することが報告された。

 プロ活動から撤退することになった沼田氏はTBS、極東ジムが全国規模で開催した『ボクシング教室』で合格し、1962年(昭和37年)にプロデビュー。“精密機械”と形容される緻密なテクニックに交え、ときに大胆に強打を狙うスタイルが人気を呼んだ。1967年6月にフィリピンの英雄、フラッシュ・エロルデの11度目の防衛を阻止し、世界タイトルに到達した。同年暮れには、小林弘(中村)と初の日本人同士による世界タイトルマッチを実現させている。1970年、WBC世界スーパーフェザー級王座に復活し、3度の防衛を果たした。

 1972年に引退後はテレビ朝日の解説者をつとめながら、1986年、東京都清瀬市に『沼田ジム』を開設。堅実な技巧派を育ててきた。今回の退会は、高齢を理由にしている。

 新日本木村ジムの前会長となった木村七郎氏は85歳。フライ級として1956年に新和ジムからプロデビュー。2年後には世界ランカーだった三迫仁志(野口)を破る殊勲を挙げた。矢尾板貞雄(国光)に敗れて日本タイトル獲得はならなかったものの、トップ選手として活躍していたが、持病の腰痛が悪化して現役を断念した。

 1961年にジムを創立。2度、世界フライ級チャンピオンとなった小熊正二(現・小熊ジム会長)など、数多くのトップボクサーを育て上げた。現在、新日本木村ジムは西武新宿線、野方駅のすぐ目の前にある。

文◎宮崎正博 写真◎BBM

ボクシング・マガジン 1月号

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