明治神宮大会高校の部、準々決勝(11月11日)の大阪桐蔭対駒大苫小牧戦(北海道)でのワンシーン。3対1と2点リードして迎えた5回一死二、三塁の守備で大阪桐蔭内野陣は前進守備を敷いた。
「打者は投手の九番打者。無条件で1点を与えて1点差とされるよりも、攻めて守る発想です」
結果はセカンド正面へのゴロとなり、4-2と転送。ゴロゴーで本塁を狙っていた三走の生還を許さなかった。
二ゴロを警戒に処理し、本塁へ送球する山田健太
「リスクはもちろん、あります。しかし、内野を下げるのであれば何にも考える必要がありません。練習でもバッターをアウトにすることだけ、極端に言えば飛び込んででも捕って投げるといった練習をしていればいいと思います。そうではなく、『リスクと安全策の境目でどこまで前進できるのか』『配球を見て一歩左右に寄るのか』など、適当ではなく、置かれた状況なりの根拠を持って動けるかどうかまで高めていきたいと思っています」
1点にこだわる守備を構築する取り組みは、野球を考える思考力を養成する。2017年夏の甲子園では大会最多の68本塁打が乱れ飛び、打撃偏重の流れが顕著な高校野球界で、大阪桐蔭もその打撃力の高さに注目されるチームだが、西谷監督の守備へのこだわりはことさら強い。大阪桐蔭が強さを継続する秘訣の一端はここにある。
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