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2017-06-23

打線のつながりをどう築く!? 長崎北高の手法

狙い球を共通理解することの意義

 打席に立つとき、選手たちはそれぞれに球種、コース、打つ方向など狙いを持っていることだろう。しかし、頭の中にあるその思考は選手同士でも理解していることは少ない。

 今年の春季高校野球長崎大会でベスト4入りした長崎北高では、その頭の中をベンチ入りメンバーの共通理解とするため、簡易な狙い球表示ボードを使用している。

 矢ヶ部和洋監督は狙いを語る。「自分の前の打者たちが何を狙って打席に立っていたのかが一目瞭然になります」

 たとえば自分の前に打席に立った打者の多くが直球待ちでいたけれども、変化球でやられている傾向が分かれば、変化球待ちで打席に立つことができる。前の打者が狙って安打した球種と逆の狙いを持つのも有効だ。

「意思を示した後に状況が変わることがあります。たとえば、直球狙いの四番打者が初球のストレートがボール球になり、2球目のカーブで並行カウントになったとします。次は明らかに変化球だと思えば、それを狙っていけばいい。その考え方が変わるまでの過程をベンチの選手は理解するでしょう。逆にストレート狙いで打席に立った打者が2球続けて直球を見逃して追い込まれると『何をやっているんだ』という声になります」

 頭の中を「見える化」することで前後の打者とのつながりが生まれてくる。

 長崎北高の練習風景はベースボール・クリニック7月号に掲載中。

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