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2021-01-16

【ボクシング】大晦日決戦。井岡一翔対田中恒成戦をくまなくレポートする

正確にしてタイムリー。井岡(右)のパンチは次々にヒットしていった

 4階級制覇王者に3階級制覇王者が挑む。日本ボクシング史上、空前の顔合わせとなった昨年12月31日のWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチは、チャンピオンの井岡一翔(Ambition)が、挑戦者の田中恒成(畑中)から2度のダウンを奪った末に8ラウンドTKO勝ちを収めた。戦前は田中に分があるという見方も多かったカードに、はっきりと力の差を見せつけて勝った井岡。その差とは何だったのか。ボクシング・マガジン2月号では、この戦いを深く掘り下げて戦評を展開する。

「強引な打ち合いからなんとなくペースを奪いと取っているという感じですね」。井岡が試合前、田中の最近の戦いぶりについて発したコメントだ。そんな打ち合いには決して持ち込ませない。何もかもを自分色に染めて戦い切ってみせる。それだけの引き出しは自分の中にはある。だから、井岡は繰り返し、「格の違いを見せる」と言い続けた。

 井岡の宣言どおりの戦いだった。5ラウンドに左フックで奪ったダウンから流れが変わったのではない。田中の際立つスピードが光って見えた序盤戦から、すべては井岡の掌中で戦いは進んでいた。「新旧交代」を叫んできた田中は、何も気づかぬままに篭絡されていく。そして、ドラマチックなエンディング。

 この偉大なる戦いの表層と深層、くまなくレポートしていく。

写真◎菊田義久

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