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2021-01-13

【ボクシング】注目のバンタム級戦、明日ゴング。王者・栗原、井上拓真ともにPCR、計量をクリア!

「僕が挑戦者」という栗原(左)と、「通過点」という井上拓真

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 好カードが続く日本人対決のひとつ、東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ12回戦、チャンピオン栗原慶太(28歳=一力)対元WBC世界同級暫定王者・井上拓真(25歳=大橋)の一戦が明日14日、東京・後楽園ホールで行われる。前々日12日にはPCR検査、前日13日は計量が行われ、ともに陰性結果、また栗原はリミット100gアンダーの53.4kg、井上はリミットの53.5kgでいずれもクリア。あとはゴングを待つばかりである。

「拓真選手は国内のバンタム級ナンバーワン。元世界王者で実力も実績もすごいし、これまで国内の強豪も倒してきているのでリスペクトしています」。栗原は、井上への賛辞を並び立てる。が、もちろんそんな相手と戦える喜びを表しているだけではない。
 現在、IBF4位にランクされる栗原とWBC7位、WBO6位にランクされる井上。勝てば井上の名前、実績を飲み込めるだけでなく、“世界”も現実に見えてくる。チャンスがそれだけ広がるからだ。
「僕が彼にどれだけ通用するか。“挑戦”って感じですね。(拓真の試合を)何試合か見ていて、少しプレスをかけながら、引いてカウンターという戦い方が多い。それをさせないで僕がプレスをかけるのが理想」と語る。


大物食いを狙う王者・栗原

 一方、WBC王座統一戦でノルディーヌ・ウバーリ(フランス)に判定で敗れ、初黒星を喫した井上は、これが復帰戦となる。相変わらず、ハードなマッチメイクだが、さすが“井上家”の臨み方だ。
「(栗原は)パンチはありそうだなってイメージ。1発だけは気をつけて戦いたい。打たせないで打つを徹底して、流れの中で倒したい」と展開をイメージする。
 もちろん、ウバーリへのリベンジマッチを強く望んでいるが、栗原に勝てばOPBF王座だけでなくIBFランキングも獲得できる。選択肢を増やしておくことも大事だ。
「相手の対策というよりも、ディフェンスも攻撃も自分のレベルアップを心がけてやってきた。自分がやりたいボクシングを貫き通したい。今回は、また世界に行くための通過点」。言葉だけ聞けば“眼中になし”と聞こえるが、初めて向かい合う栗原にも対処、反応できるという自信があるのだろう。それだけのことを幼少から積み重ねてきたのだから当然だ。


元世界王者、ふたたび頂点を目指す意地もある拓真

 ウバーリ戦で課題となった“間の埋め方”は、拓真にとってひとつのポイントだ。テンポや刻みの速さは拓真の特長だが、ウバーリはさらに小刻みで、その相手に対して攻撃面では一瞬の“間”を築いてしまった。スパーリングでは、その瞬間の攻めを意識した。
「バランスを崩したり、見栄えが悪かったところを修正した」と防御面でも、より繊細さを培った。もらっていなくてもジャッジの印象が悪い。そこを取り除く。確実にポイントを取る。

 対照的に栗原は、スタンスを広く取ってゆったりとしたリズムを取るスタイルの持ち主。けれども、一見ゆるやかに見える全体の動きに反し、それを切り裂く一瞬のつかみ方が絶妙だ。打ち込んでいく右ストレートが最大の武器だが、引きながら合わせる左フックのカウンターも上達している。

 全体のスピードやリズムでは井上がリードしているが、それに対抗しようと栗原が自らのテンポを崩せば井上の思うつぼ。栗原の“表面的な”テンポに乗じて井上が真正面から行き過ぎると、蟻地獄が待ち構える。

 どちらがいかに冷静に自分のストロングポイントを体現し、相手の長所を消すか。また、相手の心をかき乱させるか。三代大訓(ワタナベ)対伊藤雅雪(横浜光)、井岡一翔(Ambition)対田中恒成(畑中)としびれるような日本人対決が続くが、きっとその流れに乗る素晴らしい試合が繰り広げられるだろう。

文_本間 暁 写真提供_大橋ボクシングジム

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