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2021-02-09

日本テレビのプロレス中継が55年の歴史に幕 2009年3月1日 、NOAH武道館

佐々木健介を倒し、約2年半ぶりにGHCヘビー級王座に返り咲いた秋山準

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日本テレビによるプロレス中継が55年の歴史に幕を閉じた。地上波収録ラストマッチは、秋山準が佐々木健介の持つGHCヘビー級王座への挑戦になった。

 2009年2月23日、日本テレビの定例記者会見にて、同年3月いっぱいでの「NOAH中継」の終了が発表された。日本テレビは開局直後からプロレス中継を開始。日本プロレス、全日本プロレス、NOAHと55年もの間、プロレスをお茶の間に届けてきた。

 地上波放送の終了により、NOAHは大きなダメージを受けることになった。おそよ1億5000万円とも言われる放送権利金のカット、世間的な露出の減少を強いられることになる。

 地上波収録最後の大会となった同年3月1日の武道館大会では、メインで秋山準が佐々木健介のGHCヘビー級王座に挑戦。最後はスターネスダストαの進化版という技で団体外に流出していた至宝の奪回に成功した。

 試合後、リング上の勝利者インタビューで秋山は「今日で最後かもしれないけど、またケンちゃん(日本テレビの平川健太郎アナウンサー)にこうやって祝ってもらえるように、もう1回選手一同、一生懸命がんばります」と語った。秋山と平川アナウンサーは1969年生まれ。若手時代から苦楽を共にしてきた間柄だけに離れるのは辛い。 


 しかし、日本テレビのNOAH中継終了という現実がある。そんな秋山と平川アナウンサーの別れという“物語”もあった。

「テレビ局の事情もあるし、コンテンツとしての強みがなくなったっていうのもあるだろうし。55年も続いて、力道山先生、(ジャイアント)馬場さん、オレらになって、いろいろな事情があったとしても、一応、トップでいた人間として、すごく責任を感じています。オレ一人でってことはないでしょうけど、一人の人間として、選手としてがんばらないといけない。テレビだけの時代じゃないって言っても、オレなんか起きたら、必ずテレビをつけますし。オレ自身がテレビ好きだしね。それにもう一回(戻る)。もう一度がんばります」

 あれから10年以上が過ぎた。2・12武道館大会は、昨年からNOAHを月2ペースで無料放送しているインターネットTV「ABEMA」での生中継が決定。NOAHは時代に合わせた“伝達手段”でプロレスを世間に届けている。

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