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2021-02-21

【女子プロレス】総合格闘技トーナメント決勝敗退の堀田祐美子が涙 1996年8月12&13日、全女武道館

ロジーナ・イリーナに右ストレートを放つ堀田祐美子

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1996年夏、「U★TOPトーナメント」で本命の堀田祐美子が順調に決勝まで勝ち上がるが、ロシアの柔道家に敗戦。そこで流した涙の意味とは?

 1996年8月12&13日、全日本女子プロレスは4年連続となる日本武道館大会「真夏の夜の武道館」を2連戦で初開催。その目玉は総合格闘技の「U★TOPトーナメント」だった。

 「U★TOP トーナメント」は日本代表として出場した堀田祐美子が本命視されていた。堀田は12日におこなわれた1回戦のヴァレリー・ウィット戦をV1アームロックで勝利。フランスの立ち技格闘技「サバテ」の強豪を打ち破って、一気に勢いに乗った。

 2回戦はライオネス飛鳥と日本人対決。グラウンドの展開となると、堀田がケサ固めの体勢から左腕を伸ばしにかかり、最終的には足の下にはさみ込んで折り曲げるVクロスアームロックでギブアップ勝ち。3分11秒。圧勝と言える内容だ。


 迎えた決勝戦。相手はリングス・ロシアの選手として出場した柔道家のロジーナ・イリーナ。総合格闘家の高橋洋子、プロレスのレジー・ベネットを破って勝ち上がってきた。

 堀田はバックブロー、右ローキック、右ストレートと打撃主体で攻め込んだ。しかし、タックルでグラウンドに持ち込まれるとマウントポジションを取られ、パンチの雨を浴びる。

 最後は腕ひしぎ十字固め。敗れた堀田は優勝者のイリーナが表彰を受けている時、リング上で泣いていた。しかも、腕で顔を隠して…。
 
 プロレスラーは顔を血みどろにしても、涙を流すにしても拭うことをしてはいけない。血や涙は痛みや辛さの結晶。プロレスラーはそれを隠してはいけないのである。

 つまり、プロレスラーの堀田祐美子はそこにいなかった。その涙は総合格闘家として“素”の自分からあふれ出た感情だったのだ。

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