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2021-03-01

【アメフト】CFLが日本でコンバイン パナWR木下が好記録を連発

コンバインの各科目で高い数値を出したパナソニックWR木下=2021年2月28日、撮影:小座野容斉

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アメリカンフットボールのXリーグは、2月28日、カナダのプロフットボールCFLのジャパングローバルコンバイン(Japan Global Combine、JGC)を、富士通スタジアム川崎で開催した、2019年秋にXリーグとCFLが結んだパートナーシップに基づいて、日本人選手のCFL挑戦に向けた活動の一環だ。

WR西村有斗、LB岩本卓也(オービック)、WR松井理己、DL斎川尚之(富士通)、OL唐松星悦(東大)ら、1年前の日本代表組からの5人を含む17人が参加し、40ヤード走、立ち幅跳び、垂直跳び、ベンチプレスなどの科目に加え、ポジションのドリルで能力を競った。

米国のコンバインでは最も注目される40ヤード走(光電管計測)ではタイムは全般的に低調だったが、NFLのスカウトが重視すると言われる立ち幅跳びや3コーンドリルで好記録も出た。ただし、Xリーグ国際事業推進委員会の山田晋三さんによると、今回のJGCではパフォーマンス映像を撮影し、CFLに送るのが目的で、数字は参考記録という扱いとなる。

シャトルランでトップの数値を出したパナソニックWR木下=2021年2月28日、撮影:小座野容斉
シャトルランでトップの数値を出したパナソニックWR木下。太い上腕が目につく=2021年2月28日、撮影:小座野容斉

カナダ・米国出身以外の選手を対象としたCFLグローバルコンバイン (3月26-28日にカナダ・トロントで実施)からの招聘を目的としているが、山田さんによると、CFLと提携している他の国では、今回はリージョナルコンバインは開いていないという。

CFLは、「CFL 2.0」という国際化戦略の中で、グローバルプレーヤーという枠を創設した。これはアメリカ人、カナダ人以外が対象で、1チームあたり、アクティブロースターが2人、プラクティススクワッドが3人となる。9チームなので計45人の枠をメキシコや欧州各国の選手と争う。

カナディアンフットボールは、アメフットと類似の競技だ。主な違いは、アメフットがフィールド上は11人でプレーするのに対し、カナディアンは12人、オフェンスは4ダウンではなく3ダウン制、フィールドは幅が2割強、長さが1割、カナディアンが大きい。さらにエンドゾーンはアメフットの倍の奥行20ヤード。1人多い選手は、オフェンスではレシーバー、ディフェンスではDBとなり、必然的にアメフットよりもパスが中心となり、ハイスコアな展開が主となる。

WRながらベンチプレス21回  パナソニックWR木下

パナソニック・インパルスからただ一人参加のWR木下統之が、好パフォーマンスを連発した。

40ヤードダッシュは4秒71で全体2番目、立ち幅跳びでは301センチと3メートルを超えた。圧巻は100キロのベンチプレスで21回。OL唐松、DL斎川も上回った。ショートシャトルでも4秒09でトップとなった。

ベンチプレスで、OLやDLを上回る回数を記録したパナソニックWR木下=2021年2月28日、撮影:北川直樹
ベンチプレスで、OLやDLを上回る回数を記録したパナソニックWR木下=2021年2月28日、撮影:北川直樹

身長170センチ、体重78キロと小柄で、40ヤードや立ち幅跳びでは体格的に不利な部分を差し引けばなかなかの好記録だ。またベンチプレスの回数は、昨年のNFLスカウティングコンバインでWRのトップ(17回)を大きく超えた。ショートシャトルはNFLのコンバインでは計測する選手が半数未満ではあるものの、CBやRB、WRを含めた計測選手中で、4番目に相当する数値だった。

木下は「ベンチプレスは、狙っていました。シーズン終了後、このコンバインがあると考えて、しっかり練習をしてきました。どうしても、一度、海外でプレーしてみたい」という。

所属のパナソニックでは、WRには頓花達也、木戸崇斗といった快足レシーバーがいるため、目立たない存在だった。オフェンスではスロットレシーバーやモーションプレーでの出番が多い。CFLに行けたとすれば、4人目、5人目のレシーバーとしての起用になるだろうから、体格はそれほど問題はない。レシーバーにはあまり関係がないとみられるベンチプレスも、より大きなディフェンス選手が集まるエリアでの頑健性、耐久性を考えればプラスとなる。

高校まで野球を続け、関西大学からアメフトを始めた28歳。昨年の最終戦、土壇場のせめぎあいでオービックに敗れ、悔し涙を流した同じ川崎のフィールドで、木下が一つの結果を出して見せた。

40ヤード走に悔い  富士通WR松井

富士通から参加のWR松井は、立ち幅跳びで10フィート5インチ(317センチ)を記録した。昨年のNFLコンバインに参加したWRに当てはめると、松井の記録は55人中14位となる。
また、垂直跳びでも33インチ(84センチ)、3コーンドリルで6秒96という数値を残した。それでも松井は「40ヤード走が悔しい。もっと速く走らなければ」と悔やむ。去年の李卓(オービックRB)のタイムを超えるのが目標だったが、4秒88という数字は全く納得がいかなかった。

富士通WR松井は立ち幅跳びで317センチを記録した=2021年2月28日、撮影:小座野容斉
富士通WR松井は立ち幅跳びで317センチを記録した=2021年2月28日、撮影:北川直樹

測定の後半で軽く腰を痛め、ポジションドリルでは十分な動きができなかったという。

昨年はジャパンXボウルでオービックに敗れ、シーズンエンドとなった。「このコンバインがリベンジというわけではないですが、日本代表として米国人だけのチームと戦って、足りないものを感じてきた1年。そこに向けてしっかりトレーニングをしてきたのですが」と話した。

◇                      ◇                      ◇

40ヤード走のトップは4秒69の冨尾享平。大産大高時代にクリスマスボウルに優勝、近畿大学でも活躍したが、その後競輪選手に転向し、現在はS級2班という35歳だ。
垂直跳び、3コーンドリルでは富士通の小梶恭平が共に好数値を叩き出した。垂直跳び37インチ(94センチ)、3コーンドリル6秒86は、NFLコンバインのWRと比べても平均以上だ。
ベンチプレスでは、ノジマ相模原のRB小林篤実が25回でトップ。法政大学時代にDEからRBに転向、178センチ102キロのパワーバックは、40ヤード走でも4秒80、立ち幅跳び287センチを記録した。


久しぶりにフットボールに挑戦、40ヤード走ではトップだったWR冨尾は、現役競輪選手の冨尾=2021年2月28日、撮影:小座野容斉久しぶりにフットボールに挑戦、40ヤード走ではトップだったWR冨尾は、現役競輪選手=2021年2月28日、撮影:小座野容斉

立ち幅跳びでパフォーマンスするノジマ相模原RB小林。パワーだけでなく跳躍力も非凡だ=2021年2月28日、撮影:小座野容斉
立ち幅跳びでパフォーマンスするノジマ相模原RB小林。パワーだけでなく跳躍力も非凡だ=2021年2月28日、撮影:小座野容斉



今春、東大を卒業するOL唐松。Xリーグでもプレーを続けるがチームは決まっていないという=2021年2月28日、撮影:小座野容斉
今春、東大を卒業するOL唐松。Xリーグでもプレーを続けるがチームは決まっていないという=2021年2月28日、撮影:小座野容斉

富士通DL斎川は、188センチ120キロの計測。学生時代よりも一回り大きくなった=2021年2月28日、撮影:小座野容斉
富士通DL斎川は、188センチ120キロと測定。学生時代よりも一回り大きくなった=2021年2月28日、撮影:小座野容斉

【小座野容斉】

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