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2021-03-11

【ボクシング】やっぱり“モノが違う”! 元K-1王者・武居、鮮烈初回KOデビュー!

2度目のダウンを奪ったところでレフェリーがストップ。と同時にタオルが投げ入れられた

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 K-1世界チャンピオンからボクシングへ──。注目の武居由樹(24歳=大橋)のボクシングデビュー戦が11日、東京・後楽園ホールで行われ、元・中日本バンタム級新人王の高井一憲(34歳=中日)との54.5kg契約6回戦で初回1分43秒TKO勝利。鮮烈のデビューを飾った。

「自分でも何で倒したのかわからない。何で倒したんですか?」──。さすがの元K-1世界王者も、初のプロボクシング試合に興奮していたのだろうか。しかし、K-1時代から愛用する入場曲(QUEENの『I Was Born To Love You』※田中恒成=畑中=も使用している楽曲)に乗っての登場から、リング上での振る舞い、倒し方まで、すべてが“堂に入って”いた。

余裕をもって、高井のパンチを見切る
余裕をもって、高井のパンチを見切る

 同じくサウスポーの高井が、忙しなくリズムを取って動くが、じっくりと動きを見定めて、高井が放つジャブ、左にしっかりと反応し、グローブでキャッチ、カット。そして「気づいたら、距離が縮まっていた」(武居)。いつの間にか高井に青コーナーを背負わせると、一気にスパークした。いかにも重そうな左右をコンパクトに連打。アッパー気味の右を突き上げると、高井は思わず尻もちを着いた。
 ここは立ち上がった高井だが、明らかに気持ちは後ろ向きになっており、武居はそこを逃さなかった。ふたたび強烈な連打を見舞い、オーバーハンドの左を直撃。崩れ落ちる高井に、コーナーからタオルが投入された。

至近距離での戦いは手慣れたもの
至近距離での戦いも手慣れたもの

 当て勘とともに、拳を確実にハードヒットする技術、至近距離でも悠然と相手を見切る余裕……。これはやはり“モノが違う”。舞台はボクシングに変わったとはいえ、戦う嗅覚、格闘の間合いを確実に手にしていると感じさせるものだった。

「日本を背負うボクサーになりたい!」とインタビューで語った
「日本を背負うボクサーになりたい!」とインタビューで語った

 武居を指導する元世界3階級制覇王者・八重樫東トレーナーも、「ここ(試合)まで来る過程で、いろいろなことを試せたので、それを踏まえてのこの結果。よかったと思います」と、“最初の一歩”を評価するが、師弟ともに「まだまだこれからです」と口をそろえた。

「次は7月に予定しています。もう一戦、6回戦を戦わないとその上(A級=8回戦)はできないので」と大橋秀行会長。「2年で世界」とかねてから武居を高評価しているが、対戦相手探しに苦労しそうだ。

文_本間 暁 写真_小河原友信

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