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2021-03-15

日本学生ハーフマラソン2位の鈴木芽吹。駒大勢7大会連続のユニバー代表を決めた「伝統の力」

日本学生ハーフで2位となり、8月のワールドシティゲームス代表に内定した鈴木。駒大勢としては7大会連続となる(写真/田中慎一郎)

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「自分が代表に近い」

 鈴木には簡単にはあきらめられない理由があった。駒大は2009年の第25回ユニバーシアード・ベオグラード大会から6大会連続ハーフマラソン代表を輩出している。大八木弘明監督からも「3番以内に入って、ユニバーシアードの出場権を獲得」との至上命令が出されていた。ただ、今大会、チームのエースで優勝候補の田澤廉(2年)が欠場。ここでその伝統を途切れさせるわけにはいかない。箱根駅伝の優勝メンバー7名が出場したなか、鈴木は「自分が代表に近い」という自信を胸にレースに臨み、狙いどおりに結果を出してみせた。

 ルーキーの活躍が目立った2020年度の学生長距離界。鈴木もその一人だが必ずしも満足していない。

「今年度は夏まではまずまずでしたが、ロードで納得いく走りができませんでした。今回は2番でしたが、世界大会では優勝できるように頑張りたいです」

 ワールドシティゲームスでは、直近の3大会、日本勢がハーフマラソンのメダルを独占してきた。そのうち駒大勢は前回、中村大聖(現・ヤクルト)が銀メダル、前々回は片西景(現・JR東日本)が金メダル、工藤有生(現・コニカミノルタ)が銀メダルに輝いた。

 フィニッシュ後、鈴木は大八木監督から「伝統の力は強いな」と言われたという。8月の成都、鈴木は学生の世界大会で再び駒大の伝統継承に挑む。

文/石井 亮

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