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2021-03-17

【女子プロレス】長与、アジャら参戦&北斗も協力。堀田祐美子が全女まみれの35周年記念試合に挑む理由

35周年興行を開催する堀田(写真左)に長与、北斗も全面協力

全日本女子プロレス出身で4月4日にデビュー35周年記念興行(東京・上野恩賜公園野外ステージ)をおこなう堀田祐美子が同大会のメインイベントとして▼堀田祐美子35周年記念スペシャル6人タッグマッチ(60分1本勝負)を異例の形式でおこなうと発表した。

堀田は4月4日に35周年興行を開催する

 テーマは堀田の原点である“全日本女子プロレス”。「自分の原点である全日本女子プロレス出身で、自分と縁が深い5選手が出場してくれることになりましたけど、どの選手とも闘いたいし、タッグを組みたい。カードを決めかねてたとき、北斗からこういうのはどう?と言われて、面白いなと。それでこの形式に決めました」と堀田。

出場選手は…
昭和55年デビューの長与千種(マーベラス)
昭和60年デビューの堀田祐美子
昭和61年デビューのアジャコング(OZアカデミー)
昭和63年デビューの井上京子(ディアナ)
平成元年デビューの伊藤薫(ディアナ)
平成8年デビューの高橋奈七永(SEAdLINNNG)
という6選手。全女を彩った6人がメイン開始時に1人ずつ入場(※入場順未定。堀田は最後に入場)。その際、各選手は自らの意思で赤コーナーor青コーナーを選択、どちらかのコーナーに3人そろった時点で対戦カードが決まるという、北斗の言葉を借りれば〝花いちもんめ〟形式で組み合わせが決まる。

つまりゴングが鳴る直前まで対戦カードがわからない異例の形になったが、堀田は「去年だったら絶対に実現できなかったこのカードをやるために(記念興行が)1年、延期になったのかなって思うんです」と振り返る。

当初、堀田35周年興行は昨年6月に開催予定だったが、コロナ禍で無念の延期に。

その1カ月後だった。今なお先行き不透明なコロナによって興行中止や延期が相次ぎ、苦境に立たされた古巣・女子プロ界の窮状に、引退以来、女子プロ界とは一線を画していた北斗が立ち上がった。18年ぶりに帰ってきたデンジャラスクイーンが旗振り役を務める形で“コロナ禍に立ち向かう女子プロレス共闘組織”アッセンブルが誕生したのだ。

アッセンブルには、かつての恩讐やしがらみを超えて女子プロ8団体及び堀田らフリー選手が集結。昨年10月に開催されたアッセンブル旗揚げ戦が札止めの盛況を見せるなど、女子プロレスのパワーをまざまざと見せつけた。

堀田35周年興行のメインに出場する6人もそれぞれの歴史や関係性を考えれば、従来ではおそらく集結不可能だった。だが、中立的な立場にいるカリスマ・北斗が潤滑油となることで成立したアッセンブルの発足により、女子プロ界の潮目が変わった。「いろんな人間関係があるからダメ元でオファーしたんだけど、みんな出場を快諾してくれたんです」(堀田)。

 デビューした年代こそ違うが、全女を共通項に持つ百戦錬磨の6人がそろった堀田メモリアルのメインイベント。とはいえ、ゴング直前まで誰が組んで、誰と闘うかわからない試合形式が採られている。経験豊かなベテランばかりとはいえ、少なからず不安があるだろうと思われたが、長与は言う、「自分たちは多い時で年間310試合やってきた全女で育ちましたから。昨日組んでた選手と次の日は対戦してきた。誰と組もうと、誰が相手だろうと闘える。それは強いですよ。それが全女出身のレスラーなんです」。

 時代は令和。女子プロ界の景色も変わった。年齢やキャリアを考えれば、メインに出る6選手にも体力の衰えやケガの蓄積があるだろう。全盛期のファイトができるかと言えばきっと難しい。それでも全女で生まれ育った6人の闘いにはきっと“あの頃の女子プロレス”を感じられる何かがあるはず。

「35年、一度も引退せずに現役を続けきたからこそ、この試合をやり抜けば36年目への何かがきっと見えてくると思うんです」(堀田)。

堀田はこの試合を単なるノスタルジーで終わせるつもりはない。35周年という節目に全女イムズにまみれることで、イチレスラーとしてはもちろん、自分が生まれ育った女子プロ界に恩返しする意味でもまた新たな一歩を踏み出すつもりだった。

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