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2021-03-17

【相撲編集部が選ぶ春場所4日目の一番】十両陥落の炎鵬が4連勝で単独トップ

十両に陥落した炎鵬だが4カ月ぶりの土俵に上がり4連勝で単独トップに立った

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炎鵬(下手出し投げ)美ノ海

白鵬の休場で混戦模様となった幕内の優勝争い。今のところ、大関復帰を目指す照ノ富士が4連勝で引っ張っており、ヒザの状態が持てば、大関と賜盃をつかみそうな勢いだ。

力の差がないということで、常に混戦となるのが十両の優勝争い。3日目を終えて全勝は矢後、若元春、炎鵬の3人だけとなった。炎鵬は初場所で十両に陥落し、その場所は部屋の横綱・白鵬の新型コロナ陽性の影響で、自身は陰性ながらも休場となり、4カ月ぶりの土俵となる。体重も前回の計測よりも6キロ増えて98キロと少しふっくらしていた。

炎鵬の4日目の相手は美ノ海。炎鵬は立ち合いで右から小さく張って低い体勢から押し込むが、美ノ海に残されて逆襲される。土俵に詰まった炎鵬は、倒れそうになった勢いで右下手から出し投げ。倒れる前に美ノ海が土俵を飛び出し、初日から4連勝。矢後と若元春に土がついており、炎鵬が十両優勝争いの単独トップに立った。

「最後は苦し紛れでしたけど、あそこから体が動けているので、いい状態かなと思う」と振り返った。

体は元気なのに初場所を休んだことで、「土俵に上がれるってことは幸せなんだなと感じました」としみじみ。初場所は、「テレビを見ながら出たいなあって思っていました。入門してからゆっくり相撲観戦をしたことがなかったので、ファンになったつもりでテレビを見ていました。改めて相撲が好きなんだなあって思いました」と初心を思い出すいい機会にもなったようだ。

「また幕内に戻れるように、昔の自分を越えられるように稽古してきました。先場所の分まで今場所は頑張りたい」と気合が入る。

この日の取組前には宇良から水をつけてもらった。炎鵬にとって宇良は憧れの存在。入門したとき、宇良は幕内で活躍していた。「宇良関が幕内で取っているのを見て、この世界に入った」と言う。

今場所は番付も近く、初対戦の可能性もある。「楽しみしかないです。対戦したら思い切り前にいくだけです」と炎鵬。2人の対戦が実現したら、ここで取り上げたいと思う。

文=山口亜土

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