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2021-03-19

【相撲編集部が選ぶ春場所6日目の一番】隆の勝、4連勝でトップグループに浮上

関脇3場所目の隆の勝が万全の寄りで阿武咲を降し、1敗でトップに立った

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隆の勝(寄り切り)阿武咲

ただ1人全勝だった妙義龍が北勝富士に押し出され、1敗がトップグループとなった。横綱不在でまたも大混戦の様相となってきた。6日目はここ数場所で地力を伸ばしてきた隆の勝を取り上げたい。

現在、5場所連続勝ち越し中で、昨年11月場所で新関脇に上がって8勝。先場所は9勝を挙げて三役に定着しつつあり、今場所もここまで4勝1敗。突き押し相撲主体だが、最近は右を差して相手を起こす相撲に進境を見せている。この日の対戦相手は前日に全勝の照ノ富士を破って意気上がる阿武咲だ。対戦成績は隆の勝が4勝2敗とリードしている。

立ち合い、両者激しく頭から当たって、前に出るのは阿武咲。隆の勝はやや後退したが、俵まで下がることなく余裕があった。右を差し込んでカイナを返すと左からおっつけて形勢逆転。腰を落とした万全の寄りで3日目から4連勝、1敗を守った。

「相手は立ち合いが速くて強いので、当たり負けしないように思い切りいった。落ち着いて取れました」と語る。少々押されるのも想定内で、思い描いた相撲が取れたのだろう。

関脇で連続勝ち越しを決めたことで、「自信につながっているし、力がついたなという実感もあります。メンタル面も強くなったと思います」と胸を張った。

稽古場では突き押しと並行して右差しの形もやっているそう。稽古相手は貴景勝で、大関に対しても右を差して勝つこともあるという。離れても組んでも取れるようになり、相撲の幅が広がった。地味な存在であったが、次期大関候補と言ってもいいだろう。

最近は初優勝力士が多く誕生しており、トップに立ったことで隆の勝にも大いにチャンスがあるが、「あんまり意識はしていません。これからも自分らしい思い切り前に出る相撲を取っていきたいと思います」と無欲を強調。

関脇は終盤に上位陣と組まれるが、3大関がピリッとしないだけに優勝の可能性もある。ここまで勝った相撲内容は素晴らしく、強くなったなあという印象。先場所は埼玉県勢初優勝となったが、久しぶりに千葉県出身力士の優勝が見られるかもしれない。まあ、まだ気が早いが、優勝すれば平成3年7月の琴富士以来30年ぶりとなる。

文=山口亜土

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