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2021-03-24

【ボクシング】「全然ダメだった」。元王者・粉川、大いに不満の勝利

前に出て攻め続けた粉川(奥)だが、この日は空回りする場面が多かった

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 24日、東京・後楽園ホールで行われたフライ級8回戦は、元日本フライ級&東洋太平洋スーパーフライ級王者で現・日本フライ級2位の粉川拓也(35歳=角海老宝石)が、同6位の小坂駿(25歳=SUN-RISE)に78対74、77対75、77対75の3-0判定勝利を収めた。

 疲労によるものなのか、不甲斐ない内容に傷心なのか。試合後の会見に応じた粉川は、消え入るような声をなんとか絞り出すかたちとなった。
「良いところは全然なかった。最終回、ポイントを取らなければ負けると思っていた」。
 ジャッジ一者が4ポイント差をつけていたことを知ると、「それはない」と力なく首を横に振った。

 前戦から洪東植(ホン・ドンシク)トレーナーとコンビを組んだ。足で細かくリズムを刻み、テンポの速い攻防を築くスタイルから、ファイター化を強めた。この日も初回からジリジリと小坂に詰め寄り、右をスイングしてから左フックを上下に叩きつけるパターンで迫った。しかし、「足がついてこなかった」。
 上体は突っ込み、空振りしてはバランスを崩す。間合いとタイミングを徐々に把握していった小坂は、そこに右、左フックをカウンタ―してみせた。追い足のない粉川を見てとり、打っては動いて粉川をいなすシーンを再三つくってもみせた。

小坂の右がヒット。「耐えられるものだった」と言う粉川だが、この日は被弾も多かった
小坂の右がヒット。「耐えられるものだった」と言う粉川だが、この日は被弾も多かった

「体重を増やしすぎたことが原因かもしれない」と粉川。通常、前日計量後は+4kgのところを、今回は6kg増量したという。

 捕まえられないから、余計に力が入る。右を敢えて空振りさせて、ウェイトをタメて放つ左は生きたが、決めに行く右はことごとく空を切った。かわされるから、余計に当てたくなり、力が入る。これまで38戦(31勝14KO6敗1分)、世界戦経験もある大ベテランですら、その悪循環に陥ってしまうのだから、ボクシングとは難しい。

 ここ数年、思うような試合をできていない小坂は、この日は自らの得意な距離で戦うことができた。が、粉川のボディブローに体力を奪われ、ポイントをしっかりと握ることができなかった。小坂にとっても悔しい敗戦だったはずだ。

終始攻め続けた粕谷(右)が内藤に競り勝った
終始攻め続けた粕谷(右)が内藤に競り勝った

 セミファイナルのライト級8回戦は、日本同級13位の粕谷雄一郎(24歳=角海老宝石)が、ランク入りを狙う内藤未来(28歳=E&Jカシアス)にジャッジ三者とも77対75の僅差勝利。3回に粕谷が左フックで内藤を腰砕けにさせれば、続く4回にはサウスポーの内藤が左カウンターで粕谷をガクリとさせた。しかし、終始攻勢に出ていた粕谷が、アウトボックスしたい内藤を上回ったかたちだ。初回にバッティングで右目上をカットした内藤は、セコンドの巧みな止血に応えることができなかった。

齊藤(右)の左フックがカウンターとなり、荒木はその場に崩れ落ちた
齊藤(右)の左フックがカウンターとなり、荒木はその場に崩れ落ちた

 日本スーパーフェザー級16位の齊藤陽二(25歳=角海老宝石)は、日本ランク返り咲きを狙う荒木貴裕(33歳=JB SPORTS)を左フックの相打ちで倒し、2回22秒KO勝ち。荒木はストレートボディ主体で、打ち気に逸る齊藤をコントロールしていたが、3回開始早々、距離の詰まった瞬間を捉えられ、ストンとその場に落下するかたちでダウン。立ち上がったものの、レフェリーがカウントアウトした。アマチュア出身の齊藤は、まだラフな面があるものの、攻撃力が魅力の選手だ。

文_本間 暁 写真_小河原友信

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