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2021-04-20

【プロレス】“棒”史上、もっとも愛された棒!? KENTAが「棒ちゃん」に捧げた愛の軌跡

棒ちゃんに口づけを交わすKENTA

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 現在、新日本プロレスは、5・3&4福岡国際センターでの“どんたく2連戦”に向けてロングツアー中。

 各タイトルマッチもいくつかの大会に分けてマッチメークされており、4・20後楽園大会ではNEVER無差別級6人タッグ選手権がおこなわれる。

 王者組の後藤洋央紀&石井智宏&YOSHI-HASHIに挑むのは、KENTA&高橋裕二郎&石森太二のBULLET CLUBトリオ。シリーズ中も連日、両軍は激しい前哨戦を展開してきたが、そのなかでそれぞれキーマンとなっているのがYOSHI-HASHIとKENTAだ。

 そもそも今回の6人タッグ王座戦も、YOSHI-HASHIが入場時に持参していた“如意棒”をKENTAが強奪したことに端を発している。一昨年7月から新日本マットに本格参戦しているKENTAは、当初よりYOSHI-HASHIの“棒”に執着。相手を挑発するための対象として関わっていたときはまだ良かったが、実力行使に出たとなると穏やかではない。

 KENTAは“棒”を擬人化し、それにより性別が女性と判明。いわば、他人の彼女を奪ったということであり、約1カ月間、彼女とのラブラブっぷりを見せつけたかと思えば、人知れず“棒ちゃん”が悩んでいたYOSHI-HASHIの所業(!?)も暴露。YOSHI-HASHIが一時的に“棒ちゃん”の奪還に成功するときもあったが、そのたびにKENTAがすぐさま奪い返すという、往年の昼ドラばりの愛憎劇を展開してきた。

 4・20後楽園での“愛憎ドラマ”のクライマックスを直前に控え、KENTAのバックステージコメントを中心に、1カ月に及んだ1本の棒ちゃん(女性)を巡る感情の揺れ動きを振り返る。

<3・21仙台~KENTA、棒を奪う>
KENTA「(棒を手にしながら)これ見て、似合ってる? (棒に耳を当てながら)えっ、なになに?  (声色を変えて)『あんなブスといたくない』。やっぱり…オレがいるから大丈夫。『アイツ、ほんとにブスだから、もういっしょにいたくない』。大丈夫だから。オレがオマエのこと守るよ。あんなヤツといたくないって。絶交だって、ブスと」

<3・29後楽園~YOSHI-HASHIの撮影会ハラスメントを暴露>
KENTA「棒ちゃんと毎日、長いこと、FaceTimeで話して、そんなかで、いかにあのブス、YOSHI-HASHIが棒ちゃんに酷いことしてたか。(如意棒に向かって)あの話してもいい? あのブス、聞いた話によると、ファンクラブの撮影会で棒ちゃんがイヤがってるのに、無理やり一緒に連れてって、なんかどこの誰かもわかんねぇような、ファンか誰かもわかんねえヤツらに無理やり体を触らせて。嫌がってんのに、そんなことあっていいの? 完全なる撮影会ハラスメントだろ。完全に女性の気持ちを無視して。そんなヤツにな、簡単にな、2度と返すわけねえんだよ。コイツ、オレの女」

<3・30後楽園~YOSHI-HASHIに、元カノの声が聞こえる>
YOSHI-HASHI「オイ、KENTA。リング上で棒を持ったとき、棒が言ったよ。『私を使ってKENTAをぶっ飛ばしてください』って。オレにはハッキリ、リング上で聞こえたよ」

<4・4両国~ストーカー、ダメ絶対!>
KENTA「この間の(YOSHI-HASHIの)コメント、なんか棒が殴ってくれって言ってるって? いや、思考がストーカーやん! 言ってもないことを、そんな自分の都合のいいように聞こえちゃってんの? ヤバイよ、アイツ。(棒に向かって)ねえ、怖かったね。ああいう思考の人、気をつけな。心当たりのあるヤツ、それぞれの人生あるから、しつこくすんなよ!」

<4・18後楽園~KENTA、唐突な“金八化”>
KENTA「(4・15後楽園で一度は棒ちゃんを奪われるも、最終的に取り返したことを振り返って)目の前で自分の女、連れ去られた気持ちわかる? (棒に向かって)メッチャ怖かったよねえ。なんなんアイツ? アイツから、棒ちゃんに対する思いみたいなの全然、感じないよね。聞こえなかった、棒ちゃんの『ヘルプ・ミー!』っていう声? 棒ちゃん、でもああいうときはね、『助けてー!』って日本語で言ってくれた方がスッと行くから。 (急に金八先生のような声色になり)はい、先生、棒を手にしました。棒を手にするということは、どういうことかわかりますか? 棒という字を、“てへん”に変えてください。“捧げる”という字になります。棒を手にするということは、お互いの思いを捧げ合うということです。みなさんにとっても、人生の棒を手にする日が来ることを、先生、心から願っています。卒業おめでとう! 気をつけ、礼!」

<4・19後楽園~決戦前日、リング上で彼女を紹介>
KENTA「(メインでYOSHI-HASHIにシングルで勝利し、リング上でマイクを握る)こんな日が来るなんてオレは、信じられない。まさかオマエたちの前で、オレの彼女を紹介できるなんて。はじめまして、オレの女の、棒ちゃんです! 来月、オレはデビューして21周年になるんだけど、21年前の自分に教えてやりたいよ。オマエ21年後、棒とリング立ってるぞって! オレは誰に何を言われてもやりたいようにやるし、オレはコイツを本気で愛してるんだよ。明日、オレたちの愛の証、NEVER6人タッグも取って、もっとラブラブなオレたちでオマエらの前に現れるから楽しみにしとけよ」

 あくまでも“大義”はベルト奪取にあるが、棒1本でここまで言葉を連ねて、話題を振りまいてきたKENTAのコメント力は秀逸。最後の前哨戦(4・19)となった試合後、KENTAは「オレはプロレスラーでありエンターテイナー」との言葉を残した。話術巧みに“棒ちゃん”の心をくすぐりながら、同時にファンを絶えず楽しませてきた姿は、まさしくエンターテイナーだった。

 棒史上、ここまで無償の愛を捧げられてきた棒は恐らくいないし、世界一の幸せ”棒”と言って過言ではない。4・20後楽園がどのような決着を見るかはわからないが、仮に棒ちゃんを巡る愛の劇場が終焉を迎えることになったら寂しい限り。早く結末が見たいような見たくないような…。
<週刊プロレス編集部・市川 亨>棒ちゃんに口づけを交わすKENTAYOSHI-HASHIは棒の気持ちを取り戻すことはできるか…

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