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2021-04-30

【NFL】史上2位タイ、5QBがピック 2021年ドラフトの1巡指名を分析した

オハイオ州クリーブランドで2年ぶりに実際の集客イベントとして開催された2021NFLドラフト=photo by Getty Images

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米プロフットボールNFLの2021年ドラフトが4月29日午後(日本時間30日午前)から、オハイオ州クリーブランドで2年ぶりに実際の集客イベントとして、開催された。注目の全体1位では、事前の予想通り、ジャガーズがQBトレバー・ローレンス(クレムソン大)を指名。以下、全体2位のジェッツがザック・ウィルソン(ブリガムヤング大)、全体3位の49ERSがトレイ・ランス(ノースダコタ州立大)と上位3チームが連続でQBを指名した。


 4位のファルコンズはTEカイル・ピッツ(フロリダ大)指名し、QB指名はいったん途切れたが、11位でベアーズがジャスティン・フィールズ(オハイオ州立大)、15位でペイトリオッツがマック・ジョーンズ(アラバマ大)を指名した。1巡指名QBが5人となったのは、2018年、1999年と並んで史上2位タイ(1位は1983年の6人)だった。

ジェッツに1巡2位で指名されたQBウィルソン=photo by Getty Images
ジェッツに1巡2位で指名されたQBウィルソン=photo by Getty Images


ペイトリオッツ、28年ぶりの1巡QB指名

 トム・ブレイディ(バッカニアーズ)の後継者を探す必要があったペイトリオッツは、1993年のドリュー・ブレッドソー以来、28年ぶりとなるQB1巡指名。また、今オフにQBドリュー・ブリーズが引退したセインツだが、今年も1巡QB指名が無かった。セインツは、1巡でQBを指名しないドラフトが連続で50年となった(補足ドラフトを除く)。


 他に指名が多かったポジションはエッジラッシャー(DE・OLB)6人、OL5人、WR5人、CB5人など。インサイドのDL(DT・NT)とSは1巡の指名がなかった。
 大学別では、昨シーズンの全米王者アラバマ大から最多6人が指名された。クレムソン大、ペンシルバニア州立大、バージニア工科大、ノースウェスタン大、マイアミ大、フロリダ大の6校が2人指名で並んだ。歴史的な強豪チームでは、ミシガン大、オハイオ州立大、南カリフォルニア大からは1人づつ。ノートルダム大、テキサス大、オクラホマ大は、1巡指名ゼロだった。
 カンファレンス別では、サウス・イースタン・カンファレンス(SEC)の14人が最多。アトランチック・コースト・カンファレンス(ACC)とBig10の両カンファレンスが6人で並んだ。有力な5大カンファレンス「パワー5」所属の学校からは28人が指名された。
会場に来なかった有力選手は、ファンの中から代表者が選ばれジャージーを掲げた。OLスウェルの指名を喜ぶライオンズファン=photo by Getty Images
会場に来なかった有力選手は、ファンの中から代表者が選ばれジャージーを掲げた。OLスウェルの指名を喜ぶライオンズファン=photo by Getty Images


1巡下位でも有力エッジラッシャー補強

 1巡上位16人のうち、12人がオフェンスで、特にQB、レシーバー、OLというパス攻撃に欠かせないポジションが多かった。一方、ディフェンスでは近年のドラフトで重視されるエッジラッシャーの指名が上位ではなく、マイカー・パーソンズ(ペンシルバニア州立大、12位でカウボーイズ)やゼイベン・コリンズ(タルサ大、16位でカージナルス)のように、ラン守備やパスカバーに秀で、フィールド中央を守るLBの指名が目についた。
 エッジラッシャーでは、ドルフィンズが18位指名したジェイレン・フィリップス(マイアミ大)が最初で、10位以内の指名もあるとみられていたクウィティー・ペイ(ミシガン大)がコルツの21位指名だった。
 しかし、上位指名が予想されながら残っていたパスラッシャーは1巡の最終盤で、各チームが次々に補強、ポジション別では最も多い6人が指名される結果となった。
 ビルズは昨季の個人チーム最多QBサックは、今季34歳のDEマリオ・アディソンと30歳のA.J.クラインが記録した5だった。2年前にシーズン15.5サックを記録したルーソー指名は、予想外だったのではないか。
 スーパーボウル優勝のバッカニアーズも、エンダマコン・スーやジェイソン・ピエールポールらDLの高齢化が進んでいる状態でDEジョー・トライオン(ワシントン大)指名は納得のいくものだった。
 上位指名権を持ったチームが、軒並みパスオフェンスのユニット強化を目的としたため、結果的に昨季のプレーオフ進出チームも、良い補強ができる展開となった。


49ERSに1巡3位で指名され、グッデールコミッショナーに祝福されるQBランス=photo by Getty Images
49ERSに1巡3位で指名され、グッデールコミッショナーに祝福されるQBランス=photo by Getty Images


大学時代のコンビ再現がトレンド

 今回のドラフトの特徴の一つが、大学時代のコンビネーションをプロで再結成・継続する指名だ。1巡5位でベンガルズがルイジアナ州立大(LSU)のWRジャマー・チェイスを、6位でドルフィンズがアラバマ大のジェイレン・ワドルを、10位でイーグルスがアラバマ大のデボンテ・スミスを指名した。
 これら3チームには、昨年ドラフトで、ベンガルズにジョー・バロウ(LSU)、ドルフィンズにトゥア・タゴバイロア(アラバマ大)、イーグルスにジェイレン・ハーツ(アラバマ大→オクラホマ大)という3人のQBが入団しており、新加入のレシーバー3人とは、それぞれ大学で一緒にプレーした経験を持つ。
 また、ジャガースもQBローレンスに続いて1巡25位で同じクレムソン大のRBトラビス・イーティエンヌを指名した。
 チェイスら4人のWR/RBは、いずれも戦力的に優れた選手なのは間違いない。ただ、チームが若いQBをサポートするために、コミュニケーションを取りやすく、同じシステムでプレーしたことのある同窓生だったことが、獲得の大きな理由となった。

グッデールコミッショナーに祝福されるベンガルズ1巡5位指名のWRチェイス=photo by Getty Images
グッデールコミッショナーに祝福されるベンガルズ1巡5位指名のWRチェイス。ベンガルズでは、僚友だったQBバロウとホットラインを再結成する=photo by Getty Images

オプトアウトの選手には、やや厳しい評価

 2020年シーズンは、新型コロナウィルス感染症が全米で蔓延したために、オプトアウト(自主的なシーズン回避)をした有力候補が多かった。1巡指名された選手の中でオプトアウト組は、WRチェイス、OLペネイ・スウェル(オレゴン大、1巡7位でライオンズ)、LBマイカー・パーソンズ(ペンシルバニア州立大、1巡12位でカウボーイズ)、CBケレブ・ファーリー(バージニア工科大、1巡22位でタイタンズ)、DEグレゴリー・ルーソー(1巡30位でビルズ指名)などだ。
 5人とも、今年の候補の中で事前評価はポジションNo.1だったが、チェイスを除いて、皆指名順位が予想より下がった。
 スウェルはトップ5、パーソンズは10位以内の指名を予想されていたが、微妙に順位が下がったし、ファーリーはポジション3番手、ルーソーはポジション4番手の指名となった。ファーリーは、背中の手術(椎間板切除術)で、3月のプロデイを欠場したことも影響したとみられる。
 1年間のブランクをマイナスに見たチームが多かったとみてよい。ただ、1巡下位指名で入るチームはプレーオフ進出を目指せるチームであるケースが多く、将来を考えた場合は、むしろ幸運ともいえる。結局は入団後の活躍次第だ。

カウボーイズに1巡12位で指名されたLBパーソンズ=photo by Getty Imagesカウボーイズに1巡12位で指名されたLBパーソンズ=photo by Getty Images

【小座野容斉】

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