米プロフットボール・NFLの2021ドラフトは、現地4月29日から5月1日まで3日間開催された。各チームの指名選手一覧と、チームごとの指名寸評を掲載する。まずはAFCの16チームから。 (※の選手は「NFL2021ドラフト候補名鑑」に個別選手紹介を掲載している。写真はすべてGetty Images)AFC東地区<バッファロー・ビルズ>■1巡30位 ※DE グレゴリー・ルーソー マイアミ大
■2巡61位 ※DE カルロス・ベイシャムJR(ウェイクフォレスト大)
■3巡93位 OT スペンサー・ブラウン(ノーザンアイオワ大)
■5巡161位 OT トミー・ドイル(マイアミ大オハイオ)
■6巡203位 ※WR マーキース・スティーブンソン(ヒューストン大)
■6巡212位 S ダマ―・ハムリン(ピッツバーグ大)
■6巡213位 CB ラシャード・ワイルドグース(ウィスコンシン大)
■7巡236位 OG ジャック・アンダーソン(テキサス工科大)
両DEが30代のビルズは、事前評価の高かったエッジラッシャーをルーソー、ベイシャムJrと2枚補強できたのが好材料。3巡以下ではOLのデプス強化を狙った
<マイアミ・ドルフィンズ>■1巡6位 ※WR ジェイレン・ワドル (アラバマ大)
■1巡18位 ※DE ジェイレン・フィリップス (マイアミ大)
■2巡36位 ※S ジェボン・ホランド (オレゴン大)
■2巡42位 ※OT リーアム・エイチェンバーグ (ノートルダム大)
■3巡81位 TE ハンター・ロング (ボストンカレッジ)
■7巡231位 OT ラーネル・コールマン(マサチューセッツ大)
■7巡244位 RB ゲリッド・ドークス (シンシナティ大)
WRワドル指名で、昨年入団のQBタゴバイロアと「アラバマホットライン」再結成を狙う。上位4人は即戦力の期待がかかる。
<ニューイングランド・ペイトリオッツ>■1巡15位 ※QB マック・ジョーンズ (アラバマ大)
■2巡38位 ※DT クリスチャン・バルモア (アラバマ大)
■3巡96位 ※DE ロニー・パーキンス(オクラホマ大)
■4巡120位 RB ラモンドレ・スティーブンソン(オクラホマ大)
■5巡177位 ※LB キャメロン・マグローン(ミシガン大)
■6巡188位 S ジョシュア・ブレッドソー(ミズーリ大)
■6巡197位 OT ウィリアム・シャーマン(コロラド大)
■7巡242位 WR トレ・ニクソン(セントラルフロリダ大)
「王朝」復興を目指し、28年ぶりQB1巡指名で、「ブレイディ2世」のジョーンズを獲得。2巡バルモアもDTでは大学屈指の実力者。
<ニューヨーク・ジェッツ>■1巡2位 ※QBザック・ウィルソン(ブリガムヤング大)
■1巡14位 ※OT/G アライジャ・ベラタッカー(南カリフォルニア大=USC)
■2巡34位 ※WR イライジャ・ムーア(ミシシッピ大)
■4巡107位 ※RB マイケル・カーター(ノースカロライナ大)
■5巡146位 S ジャメイン・シャーウッド(オーバーン大)
■5巡154位 S マイケル・カーター(デューク大)
■5巡175位 CB ジェイソン・ピンコック(ピッツバーグ大)
■6巡186位 S ハムサー・ナシリルディーン(フロリダ州立大)
■6巡200位 CB ブランディン・イコルス(ケンタッキー大)
QBウィルソンは強肩と滑らかな動きで評価は高い。QB育成に失敗してきた過去の教訓を生かせるか。下位指名ではDBを集中的に補強した。
AFC北地区<ピッツバーグ・スティーラーズ>■1巡24位 ※RB ナジ-・ハリス (アラバマ大)
■2巡55位 ※TE パット・フライアムース(ペンシルバニア州立大)
■3巡87位 C/G ケンドリック・グリーン(イリノイ大)
■4巡128位 OT ダン・ムーア(テキサスA&M大)
■4巡140位 LB バディ・ジョンソン(テキサスA&M大)
■5巡156位 DE アイゼア・ローダーミルク (ウィスコンシン大)
■6巡216位 ※DE/OLB クインシー・ローシェ(マイアミ大)
■7巡245位 CB トレ・ノーウッド(オクラホマ大)
■7巡254位 P プレスリー・ハービンⅢ(ジョージア工科大)
過去3年で31位、29位、32位とNFL最低ランクだったラン攻撃再建へRBハリスを指名。2巡フライアムースは正統派TEとして期待。
<ボルティモア・レイブンズ>■1巡27位 ※WR ラショッド・ベイトマン (ミネソタ大)
■1巡31位 ※DE ジェイソン・オウェイ (ペンシルバニア州立大)
■3巡94位 ※OG ベン・クリーブランド(ジョージア大)
■3巡104位 CB ブランドン・スティーブンス (サザンメソジスト大)
■4巡131位 ※WR タイラン・ウォレス (オクラホマステート)
■5巡160位 CB ショーン・ウェード(オハイオ州立大)
■5巡171位 DE デイリン・ヘイズ(ノートルダム大)
■5巡184位 FB ベン・メイソン(ミシガン大)
ベイトマンはQBジャクソンの新ターゲットとして期待。オウエイの怪物的な能力が開花すれば、お家芸の守備は「鬼に金棒」となる。
<クリーブランド・ブラウンズ>■1巡26位 ※CB グレッグ・ニューサムⅡ(ノースウェスタン大)
■2巡52位 ※LB ジェラマイア・オウスコラモア(ノートルダム大)
■3巡91位 WR アンソニー・シュワルツ(オーバーン大)
■4巡110位 OT ジェームス・ハドソン(シンシナティ大)
■4巡132位 DT トミー・トギアイ(オハイオ州立大)
■5巡153位 LB トニー・フィールズ(ウェストバージニア大)
■5巡169位 S リチャード・ルコント(ジョージア大)
■6巡211位 ※RB デメトリック・フェルトン(UCLA)
実力派CBのニューサム、守備範囲の広いLBオウスコラモアに即戦力の期待。昨年低迷したパス守備の強化を狙う。
<シンシナティ・ベンガルズ>■1巡5位 ※WR ジャマ―・チェイス(ルイジアナ州立大)
■2巡46位 ※OT ジャクソン・カーマン(クレムソン大)
■3巡69位 ※DE/OLB ジョセフ・オサイ(テキサス大)
■4巡111位 DE キャメロン・サンプル(チューレーン大)
■4巡122位 ※NT タイラー・シェルビン(ルイジアナ州立大)
■4巡139位 ※OT ディアンテ・スミス(イーストカロライナ大)
■5巡149位 K イーバン・マクファーソン(フロリダ大)
■6巡190位 C トレイ・ヒル(ジョージア大)
■6巡202位 RB クリス・エバンス(ミシガン大)
■7巡235位 DE ワイアット・ハバート(カンザス州立大)
1巡でWRチェイスを指名し、QBバロウと「LSUホットライン」再結成。2巡以降はカーマン、オサイら攻守のラインを重点的に補強した。
AFC南地区<テネシー・タイタンズ>■1巡22位 ※CB ケレブ・ファーリー(バージニア工科大)
■2巡53位 ※OT ディロン・レイドゥンズ(ノースダコタ州立大)
■3巡92位 ※LB モンティ・ライス(ジョージア大)
■3巡100位 ※CB イライジャ・モールデン(ワシントン大)
■4巡109位 WR デズ・フィッツパトリック(ルイビル大)
■4巡135位 ※DE ラシャード・ウィーバー(ピッツバーグ大)
■6巡205位 WR レイシー・マクマス(ルイジアナ州立大)
■6巡215位 S ブレイディ・ブリーズ(オレゴン大)
今ドラフトCBのNo.1と目されたファーリーを22位で獲得。さらに4巡にかけてディフェンス各ポジションの好選手を着々と指名した。
<インディアナポリス・コルツ>■1巡21位 ※DE クウィティ―・ペイ(ミシガン)
■2巡54位 ※DE ダヨ・オディインボ(バンダービルト大)
■4巡127位 TE カイレン・グランソン(サザンメソジスト大)
■5巡165位 S ショーン・デービス(フロリダ大)
■6巡218位 ※QB サム・アーリンガー(テキサス大)
■7巡229位 WR マイク・ストラーン(チャールストン大)
■7巡248位 OT ウィル・フライズ (ペンシルバニア州立大)
今ドラフト屈指のDLペイを21位で指名。2巡オディインボと合わせ、パスラッシュ力を強化した。QBウェンツ次第ではスーパーボウルも狙える。
<ヒューストン・テキサンズ>■3巡67位 ※QB デービス・ミルズ (スタンフォード大)
■3巡89位 WR ニコ・コリンズ (ミシガン大)
■5巡147位 ※TE ブレビン・ジョーダン(マイアミ大)
■5巡170位 ※LB ギャレッ・ワーロウ(テキサスクリスチャン大)
■6巡195位 DE ロイ・ロペス(アリゾナ大)
QBワトソンを巡る様々な問題で「オフの主役」だが、指名は3巡から。ミルズは基礎がしっかりしており評価は高いが、NFLでは未知数。
<ジャクソンビル・ジャガース>■1巡1位 ※QB トレバー・ローレンス(クレムソン大)
■1巡21位 ※RB トラビス・イーティエンヌ(クレムソン大)
■2巡33位 ※CB タイソン・キャンベル(ジョージア大)
■2巡45位 OT ウォーカー・リトル(スタンフォード大)
■3巡65位 ※S アンドレ・シスコ(シラキュース大)
■4巡106位 DT ジェイ・トゥフェレィ (USC)
■4巡121位 OLB ジョーダン・スミス(アラバマ・バーミンガム大)
■5巡145位 TE ルーク・ファレル (オハイオ州立大)
■6巡209位 WR ジェイレン・キャンプ(ジョージア工科大)
QBローレンスに続き、RBイーティエンヌも予想外の獲得、「クレムソンコンビ」が継続する。2巡以下でも高評価の選手を次々に指名した。
AFC西地区<カンザスシティー・チーフス>■2巡58位 ※LB ニック・ボルトン(ミズーリ大)
■2巡63位 ※C クリード・ハンフリー(オクラホマ大)
■4巡144位 DE ジョシュア・ケインドウ(フロリダ州立大)
■5巡162位 TE ノア・グレイ(デューク大)
■5巡181位 WR コーネル・パウエル(クレムソン大)
■6巡226位 OG トレイ・スミス(テネシー大)
■OTブラウンをトレードで獲得し、1巡は無くなったが、攻守のキーになるポジションを粛々と補強。AFC最強の座を譲る気はない。
<ラスベガス・レイダース>■1巡17位 ※OT アレックス・レザーウッド (アラバマ大)
■2巡43位 ※S トレボーン・メイリッグ(テキサスクリスチャン大)
■3巡79位 DE マルコム・クーンス(バッファロー大)
■3巡80位 S ディバイン・ディアブロ(バージニア工科大)
■4巡143位 S タイリー・ギレスピー(ミズーリ大)
■5巡167位 CB ネート・ホブス(イリノイ大)
■7巡230位 C ジミー・モリッシー(ピッツバーグ大)
OLとDBを重点強化した。アウトランド賞のレザーウッドにバールワース賞(最優秀ウォークオン)のモリッシー。メイリッグはSのNo.1という評価も。
<ロサンゼルス・チャージャーズ>■1巡13位 ※OT ラショーン・スレイター (ノースウェスタン)
■2巡47位 ※CB アサンテ・サミュエルJr (フロリダ州立大)
■3巡77位 WR ジョシュ・パーマー (テネシー大)
■3巡97位 TE トレ・マッキティ (ジョージア大)
■4巡118位 ※DE/OLB クリス・ランフⅡ(デューク大)
■5巡159位 OT ブレンデン・ジェイミー (ネブラスカ大)
■6巡185位 LB ニック・ニイマン(アイオワ大)
■6巡198位 ※RB ラリー・ローンツリー(ミズーリ大)
■7巡241位 S マーク・ウェブ (ジョージア大)
QBハーバートを守るため、カレッジ屈指のLTスレイターを指名。守備でもサミュエルやランフらを補強し、バランスの良い指名ができた。
<デンバー・ブロンコス>■1巡9位 ※CB パトリック・サーテインⅡ(アラバマ大)
■2巡35位 ※RB ジャボンテ・ウィリアムズ(ノースカロライナ大)
■3巡98位 C クイン・マイナーズ(ウィスコンシン大ホワイトウォーター)
■3巡105位 ※LB バロン・ブローニング(オハイオ州立大)
■5巡152位 S ケイデン・スターンズ (テキサス大)
■5巡164位 S ジャマ―・ジョンソン (インディアナ大)
■6巡219位 WR セス・ウィリアムズ (オーバーン大)
■7巡237位 CB ケイリー・ビンセントJr(ルイジアナ州立大)
■7巡239位 DE ジョナサン・クーパー(オハイオ州立大)
■7巡253位 DE マーキース・スペンサー(ミシシッピ州立大)
CBトップ評価のサーテインを始め、守備を集中的に強化したが、予想されたQB1巡指名はなし。ドラフト後に大型トレードの可能性も。
NFLドラフト候補名鑑2021(B.B.MOOK1527)