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2021-06-18

【しゅりんぷ池田のカード春秋】「背番号25」の系譜

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CCFS2 村田修一 × 岡本和真

 先日発売された「BBM読売ジャイアンツ ベースボールカード2021」に10枚限定で村田修一と岡本和真のコンボ箔サインカードが入っています。言わずと知れた、ジャイアンツの新旧・背番号25、新旧・正三塁手のカップリングです。しかし、17年オフに起こった新旧交代劇は衝撃的でした。同年118試合に出場して14本塁打していた村田を自由契約にして、その年まで35試合しか一軍経験がない岡本を次年度のレギュラーに据えたのです。それに見事応えた岡本も立派ですが、この決断をした巨人はやはりすごい。

 2003年に横浜入りした村田は大学時代に着けていた背番号25を贈られます。この番号は球団の最多本塁打記録を持つ松原誠も背負った栄光の番号でしたが、村田もその期待に応え球団歴代3位となる本塁打を放って11年オフにFAで巨人に転じます。この際、背番号25が空いていたこともあり村田は同番を継続します。一方、村田の抜けたDeNAは25番を高卒3年目の筒香嘉智に与えると、これも球団歴代5位の本塁打をマークするスラッガーに成長します。

 このようにベイスターズの25番は強打者の番号として定着しますが、同球団で最初に同番を付けたのは平山菊二でした。同選手は〝塀際の魔術師〟の異名を取った巨人の名外野手でしたが、50年に大洋球団ができた際に郷里が当時の本拠地・下関という縁もあり、移籍となり巨人時代の25番を大洋でも継続したのでした。巨人由来の25番がDeNA球団の伝統の番号となり、それがまた巨人に戻って強打者に引き継がれているのですから不思議な巡り合わせだと思います。
(週刊ベースボール2021年6月14日号 掲載記事再編)


BBM読売ジャイアンツ ベースボールカード2021 CCFS2 村田修一 × 岡本和真

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