東京2020オリンピック卓球女子日本代表に内定した石川佳純選手が8年ぶりにスマイルインタビューに登場! 3度目の オリンピックとなる今回は、女子代表の最年長としてチームリーダーの役割を担う。全日本選手権では5年ぶり5度目の優勝を果たすなど、進化を続ける石川選手に3度目のオリンピックへの意気込みを、スマイルスポーツのインタビューで語ってもらった。※取材は2021年4月30日にオンラインにて行いました――今年1月の全日本選手権では5年ぶり5度目のチャンピオンに返り咲きましたが、全日本選手権で優勝した時の率直な感想を聞かせてください。
「ずっと優勝できていないということを自分自身は特に意識していなかったのですが、5年ぶりとなると、すごく久しぶりだなと感じました。とても嬉しかったですし、自分が頑張ってきた部分を結果として残せたのは良かったです。この5年間でボールが変わったり、いろいろな変化がある中で新しいことにも挑戦していって、自分の成長を感じられたこともすごく嬉しかったです」
――東京2020オリンピックに向けた代表選考は熾烈を極めました。改めて振り返ってみて、どんな心境で戦っていたのですか?
「オリンピックの代表というのは、何回挑戦しても厳しく、辛く、狭き門だと思います」
――過去に2度、代表になっている石川選手でも大変なものなのですね。
「大変ですよ! 本当に大変です」
(写真:Getty Images)――熾烈な代表争いを制して代表となったオリンピックが1年延期となりました。この1年間はどのようにモチベーションを保ってきたのでしょうか。
「私としては準備期間を1年間長くもらえたという気持ちだったので、モチベーションが落ちることはありませんでした。逆にこれまで20年間卓球をやってきて、こんなに試合がないということがなかったので、日常の過ごし方に戸惑う部分はありました。でも、一定の決まった練習や、規則正しい生活ができるので、それはすごく新鮮でした。今までは月に1~2回は海外ツアーがあって、帰国後時差ボケを直してまたすぐに海外という繰り返しでしたから。それがない生活は卓球人生で初めての経験でした」
――オリンピックには過去2回出場していますが、石川選手にとってオリンピックとはどんな舞台ですか?
「4年に一度ということもありますし、私にとっては一番の夢舞台です。そこで最高のプレーをすることは一番の目標ですし、オリンピックという目標があるから頑張れた部分もあります。オリンピックを通して成長できたという気持ちが大きいので、最高の舞台で後悔のないような最高のプレーをしたいです」
前回のリオデジャネイロオリンピックで石川は福原愛、伊藤美誠とともに団体で銅メダルを獲得した(写真:Getty Images)――過去2大会とは違い、今回は女子の代表選手では最年長なので、引っ張る立場になりますね。
「今までの2大会の経験を生かして、いいチームになって戦いたいと思います。一番年上なので、いいチームワークができるような環境を作って、3人全員が最高のプレーをできるようなチームでありたいなと思います」
――一緒に団体戦を戦う、伊藤美誠選手、平野美宇選手は、石川選手から見てどんな特徴のある選手ですか?
「伊藤選手は卓球のスタイルが唯一無二というくらい特徴があって、もちろん実力も高いですし、常に新しいことに挑戦しているなという印象です。平野選手とはダブルスを組む機会も非常に多いのですが、卓球のスタイルが新しいですね。打点が速くてすごく攻撃力が高い選手だと思います」
――平野選手とは団体戦ではダブルスを組む機会が多くなりそうですね。
「ダブルスは練習すればするほど良くなると思うので、今は(平野)美宇ちゃんとダブルスの練習をたくさんしています。これまでのオリンピックの団体戦ではダブルスは3試合目でしたが、今回は1試合目に変わりました。1試合目を取れるかどうかというのは団体戦にとって非常に大きなポイントになりますから、今まで以上にダブルスを意識して練習しています」
――団体戦での最大のライバルは中国になります。
「中国の選手は基本技術や、基礎の部分がすごく素晴らしいので、それを崩すプレーをすることが大事です。対戦することに対するプレッシャーは、私たちのほうがないので、思い切ってやることが大事だと思います」
――オリンピックと他の大会では、緊張感は違いますか?
「やはり4年に一度ですし、それまでの道のりがすごく大変な部分もあるので、コートに立つ時はすごく緊張します」
――そうした緊張を乗り越えて良いパフォーマンスを発揮する秘訣は何ですか?
「私はそれまでの準備が大事だと思います。緊張しても自分のプレーができるよう、いろいろな準備をしていけば、どんな状況になっても冷静に対応できます。事前の準備は大事ですけど、コートに立ったら楽しんでプレーしたいと考えています。できるかできないかではなく、そういう気持ちを持つことが今の私にとっては大事かなと思います。いろいろな経験を積んで、最後は自分が楽しむことが一番いいんじゃないかという答えにたどり着きました。東京でのオリンピックは自分が現役の間はもう二度とないと思うので、楽しまなければもったいないという気持ちでプレーします」
――東京2020オリンピックでの目標を聞かせてください。
「過去2回のシングルスではメダルが獲れていないので、メダル獲得というのは大きな目標の一つです。やはりメダルを獲りたいですね。また、団体戦では金メダルを目指して頑張りたいです。1年間延期になって、大変な日々を過ごした方もたくさんいると思います。そうした中でコートに立てるありがたさを感じながら、選手としてできることは、全力で準備をして全力でプレーすることだと思います」
こちらのインタビューのほか、石川選手が8年前に同誌のインタビューに登場した当時と現在の変化や、2018年にスタートしたTリーグへの思い、オリンピック会場である東京体育館の思い出など、カラー4ページにわたるインタビューは、6月1日に(公財)東京都スポーツ文化事業団が発行した『スマイルスポーツVol.86』に掲載されています。いしかわ・かすみ1993年2月23日生、山口県出身。2011年に全日本選手権シングルスで初優勝を飾り、2012年のロンドンオリンピックに出場。シングルスでは4位入賞を果たし、団体では福原愛、平野早矢香とともに日本卓球史上初となる銀メダルを獲得した。2016年のリオデジャネイロオリンピックでは団体で銅メダル、2017年の世界選手権では吉村真晴との混合ダブルスで優勝を飾った。2021年の全日本選手権シングルスでは5度目の優勝を果たした。東京2020オリンピックでは、シングルス、団体の代表に内定している。
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石川佳純選手の素顔が分かるQ&Aインタビュー動画と読者の皆様へのメッセージはこちら
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