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2021-06-26

【ソフトボール】「流れを変える一打、流れを変える守備を見せたい」 東京五輪日本代表の川畑瞳(2)

身体がひと回り大きくなったことで飛距離が伸びたことを実感しているという川畑瞳(撮影/福地和男)

五輪でのソフトボール競技は2008年の北京大会を最後に正式種目から除外されていたが、2020年東京五輪で追加種目としての採用が決まり、強化を進めてきた。ソフトボール・マガジンWEBでは、3大会ぶりとなる東京五輪で金メダル獲得を目指す15名の選手たちを、順々に紹介していく。

川畑瞳(デンソー/内野手)
積み重ねてきたものを自信に変えて(2)

東京五輪に向けて日本代表が本格始動したとき、 川畑瞳はまだあどけなさの残る20歳だった。先輩たちの背中を追い掛け続け、この6年でたくましく成長した。課題を一つ一つクリアし、つかみ取った東京五輪への切符。積み重ねてきたものを自信に変え、夢舞台でトレードマークの笑顔の花を咲かせる。(取材は4月28日、全文はソフトボール・マガジン7月号掲載)。

憧れだった選手たちと
ともに戦う東京五輪の舞台

──宇津木麗華ヘッドコーチは、責任感も出てきた とおっしゃっていましたが、ご自身で変わったと感じることはありますか。
川畑 日の丸を背負ってプレーする中で、責任やプレッシャーを感じる毎日です。私、もともとはミスを引きずるタイプでした。ミスをして、落ち込んで、失敗しての繰り返しだったんです。 でも、代表の先輩方と一緒にプレーさせていただく中で、ミスをしても素早く切り替えることが大事だと学びまし た。引きずってもいいプレーはできません。きちんと反省して、すぐに切り替えて次のプレーに生かす。いい意味で開き直れるようになりましたし、経 験が自信につながっていると思います。 それと、デンソーでもキャプテンをやらせていただいて、いろいろなことに気付けるようになりましたし、すごく 視野が広がりました。
──7月には東京五輪が予定されていますが、北京五輪のときは小学生だったんですよね。
川畑 当時は小学6年生でした。テレビで見たことを覚えています。
──当時、代表メンバーに入っていた上野由岐子選手、山田恵里選手、峰幸代選手と今は同じ日本代表のユニフォームを着てプレーしています。
川畑 冷静に考えるとすごいことだと思います。今は一緒に活動させてもらって何年も経っているので慣れましたけど、最初は憧れていた人たちが目の前にいて、「おぉ~っ」という感動もありました。
──川畑選手もその舞台に立つことが決まりました。思い描いているものは何かありますか。
川畑 山田さんが前に言っていたことですが、オリンピックは自分の力を出すのが難しい場所だそうです。プレッシャーもあるし、いつも通りのプレーが できないものだ、と。ただ、私自身は初めてのオリンピックなので、いい意味で怖い物知らずでいけたらと思っています。
──ファンの皆さんには、どんなプレ ーを披露したいですか。
川畑 まずは、自分が持っている力を最大限に出せたらと思っています。そのうえで、流れを変える一打、流れを変える守備を見せられたら。
──大会が近付き、今はどのような心境でしょうか。楽しみですか、それとも不安もあるのでしょうか。
川畑 まだ実感がないのが正直なところです。でも、誰もが行ける場所ではないので、楽しみたいと思っています!(おわり)。

【川畑瞳PROFILE】
かわばた・ひとみ/1996年5月1日、鹿児島県生まれ。164cm66kg。右投左打。内野手。神村学園高-デンソー(2015年~)。シュアな打撃を武器に1年目からレギュラーに定着し、4年目の18年には自身2度目のベストナイン受賞(15年は三塁手)。日本代表には16年に初選出され、16年、18年と2大会連続で世界選手権出場を果たす。今季リーグ成績(5節終了時点):11試合、37 打席、5安打、1本塁打、5打点、2盗塁、打撃率.156

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