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2021-06-25

【ボクシング】中谷正義がロマチェンコ戦へ公開会見。「戦いは勝たないと意味がない」

恒例のフェイスオフ。一瞬、笑顔を見せた中谷(右)だが、この後はキリリとにらみつけた

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 26日(日本時間27日)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのバージンホテルズでライト級12回戦を行う、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)と中谷正義(帝拳)は同地で試合発表会を行った。生涯、最大の敵を迎える中谷は「試合は勝たないと意味がない」ときっぱりと言い切った。

 対戦者は言わずと知れた現代ボクシングの最高峰である。中谷も「自分にとって、最大のビッグマッチだと思う」と語る。長いブランク明けで、強豪フェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)に劇的逆転勝ち。今度の試合でも勝てばむろんだが、内容次第では中谷の今後は大きく道が拓けることになる。だが、11度も防衛した32歳の元東洋太平洋チャンピオンは「ただ、戦うだけじゃなく、勝たないと意味がないと思う」と。あくまでもどん欲だった。

 一方。ウクライナの“ハイテク”、ロマチェンコは終始、余裕を演出した。「タフで身長が高く、リーチも長い。とてもいいボクサーだ」と中谷を評す。昨年、手痛い敗北を喫したテオフィモ・ロペス(アメリカ)との再戦について聞かれると、「今は目の前の試合のことだけ。質問には試合後に答えたい」と語った。ロペス戦後、痛めていた右肩を手術し、1月からジムワークを再開したロマチェンコの出来も気になるところ。だが、プロモーターのボブ・アラムは、プロ3戦目で世界王座戴冠、3階級制覇、なおかつ五輪2連覇の実績を持つロマチェンコはイージーな戦いを望まないと断言した。「これまでで一番の準備をしてきた」という中谷と同様、ロマチェンコも現状でできうるベストの戦いを見せるはず

 会見の終わりには恒例のフェイスオフの撮影。その冒頭、ロマチェンコは自分より16センチも背が高い中谷(182センチ)の肩を両手で押さえつけ、「視線の高さを合わせろ」とおどけた要求をするなど、笑顔を崩さなかった。これもプライドがなせるわざだったのだろう。

 現地にいる宮田有理子記者によると、会見後の中谷は「リラックスしている」と気負いもなく語っていたという。

「(ロマチェンコに)オーラは感じませんでしたね。身長差は有利にもなるし、不利にもなると思います。近場に入ってこられたら、自分は不利になります。ロマチェンコは中に入ってくるのがうまいから、警戒したいですね」

 KOもしっかり意識している。

「ベルデホ戦のときにもKO宣言をしましたが、ちょっとパフォーマンス的でもありました。今度の試合は自分が勝とうと思えば判定では難しいので、KOを狙っていきます」

 そして決意の言葉をなお積み上げた。

「どの試合もそうですけど、次の試合が最後になってもいいという気持ちで戦っています。負けたら次はどうなるのか分からないので、思い残すことなく全力で戦いたい」

 また、前座のスーパーバンタム級4回戦でキービン・モンロイ(アメリカ)を相手にプロデビュー戦を行う元トップアマの村田昴(帝拳)は「(ラスベガスは)ボクシングの聖地だと聞いていています。その場所でデビュー戦ができるなんて、夢にも思っていませんでした。しっかり結果を残したいです」

協力◎宮田有理子 写真◎Mikey Williams/Top Rank via Getty Images

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