女子48kg級
渡名喜風南[パーク24]
準優勝
柔道日本女子の先陣を切った渡名喜が、心技体すべて充実した完成度の高いパフォーマンスを見せた。まず、初戦の2回戦でロンドン五輪銅のチェルノビツキ(ハンガリー)に、一本背負投と崩袈裟固の合わせ技で一本勝ち。好発進すると、続く3回戦ではリオ五輪金のパレト(アルゼンチン)を十字固「一本」で沈めた。
大きな山場と目された準決勝でも落ち着いた戦いを継続。難敵のビロディド(ウクライナ)を延長戦で消耗させ、相手得意の巻き込み技に乗じて抑え込み、横四方固「一本」。
そして、クラスニキ(コソボ)との決勝では、背負投や小外刈などで序盤から主導権を掌握。奥襟を取って攻撃するクラスニキの動きに、冷静に対処した。だが、残り19秒、内股で「技あり」を献上。これが無念のポイントになったものの、今大会の日本勢第1号で、日本勢として夏冬五輪通算500番目の“メモリアル”メダル獲得となった。
◎渡名喜風南のコメント「日本開催のオリンピックで特別な試合でしたが、気負わずに自分のペースで戦えました。無観客で不思議な感じもあったけど、たくさんの人からメールなどで連絡をもらって力になった。決勝は、最後に自分の弱さが出てしまった。もう少し我慢強く相手をさばけていたら…と思います。銀メダルでしたが、メダルを獲るのと獲らないのとでは違うので、日本の初日として良いスタートを切れたと思います。これまでコロナの大変な中で、たくさんの人が最後まで支えてくれた。感謝の気持ちでいっぱいです」
決勝は、まさに紙一重の攻防で惜敗したが、中身の濃い銀メダルを手にした渡名喜(写真/JMPA)◎渡名喜風南/東京五輪全成績2回戦 ○合 技△ チェルノビツキ(ハンガリー)3回戦 ○十 字 固△ パレト(アルゼンチン)準決勝Ⓖ○横四方固 △ ビロディド(ウクライナ)決 勝 △(技あり)○ クラスニキ(コソボ)