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2021-07-26

【ボクシング】痛恨の負傷ドロー…澤田、初王座を目前で逃す

2回早々の負傷ドローに悔しそうな表情を浮かべる澤田(右)と定常

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26日、東京・後楽園ホールで行われた日本バンタム級王座決定戦、同級1位・澤田京介(33歳=JB SPORTS)対2位・定常育郎(23歳=T & T)の10回戦は2回23秒負傷引き分けに終わり、新王者は決まらなかった。

 アクシデントは2回が始まってすぐに起きた。初回にダウンを奪い、詰めにかかった澤田と、なんとかピンチを脱したい定常。両者の顔面が激しくクラッシュし、定常がしゃがみ込んだ。深いダメージを負った様子の定常は、コーナーでドクターチェックを受ける間も、うずくまったまま。額からはおびただしい量の血が滴る。一方、反対側のコーナーで待つ澤田の足元にも、眉間から流れ落ちる血がどんどん溜まっていく。

 続いて、定常に代わり澤田がドクターの診断を仰ぐと、吉田レフェリーは両手を交差して終了を宣告。負傷は偶然のバッティングによるもので、規定のラウンドに達していなかったため、ドローの裁定となった。

 澤田には悔やんでも悔やみきれない終わり方だった。初回から的確なジャブを断続的にヒットして距離をキープ。突き放された定常が強引に飛び込んでくるところに強烈な右を合わせ、フォローの左でダウンを奪った。セコンドのゴーサインを受け、なおも定常をコーナーに詰めて猛攻。KO寸前に追い詰めたが、ここはゴングで逃げられた。

 かつてないほどの爆発力を、33歳の初タイトル戦で見せた澤田。アマからB級(6回戦)デビューも連敗スタートの屈辱をバネに、3戦目から1分けを挟み14連勝。挑戦者決定戦も制してタイトルマッチを待ったがコロナ禍で延び、さらには雪辱を誓ったデビュー戦の相手でもある王者・鈴木悠介(三迫)が眼疾で引退。1年9か月待たされて、ついに迎えたこの日だった。澤田は18戦14勝(6KO)2敗2分。出端をくじかれ、何もできずに終わった定常は19戦11勝(4KO)4敗4分。空位のままとなった王座は両者の回復を待って、改めて決定戦が組まれる。

文/藤木邦昭 写真/ワンダン・ダワー

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