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2021-08-08

【Tokyo2020 ボクシング】注目の最強対決はクルスがデービスを破る。キューバは4つの金メダル

ハイクオリティな技術戦は、クルス(左)に一日の長があった

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 8日の東京・両国国技館、東京オリンピックのボクシング競技最終日は、4つのイベントの決勝戦が行われた。オリンピックスタイル・ボクシングのパウンドフォーパウンドふたりによる注目のライト級決勝では、不動の世界王者アンディ・クルス(キューバ)がキーショーン・デービス(アメリカ)の挑戦を跳ね返し、判定勝ちを収めている。男子のみの出場のキューバは8階級のうち半分の4個の金メダルを獲得した。

ハーリントン(右)は強打のフェレイラをうまくいなしきる
ハーリントン(右)は強打のフェレイラをうまくいなしきる

女子ライト級決勝 ケリー・ハーリントン(アイルランド)【判定5-0】ベアトリス・フェレイラ(ブラジル)


 開会式ではアイルランドの旗手を務めたハーリントンが冷静なペースメイクで、強打のブラジル人をうっちゃった。最初の3分間こそ、フェレイラの左フックが目を引いたが、2ラウンド以降はハーリントンが左右へのスイッチを織り交ぜながらの正確なヒットを集め、戦いをコントロールし続けた。

男子ライト級決勝 アンディ・クルス(キューバ)【判定4-1】キーショーン・デービス(アメリカ)

 ずば抜けた技術力を誇るクルスに、際立つセンスと強烈な右クロスが光るデービス。やはりクルスがその精密さ、攻撃を先取りする術でわずかに長けていた。そえでも初回、デービスが速い動きで惑わし、2ラウンドには右クロスを決めてクルスをぐらつかせる。白熱の攻防は最後の3分間で勝敗を切り分けることになったが、このラウンド、常に先にヒットしていたのはクルス。判定は順当だった。
スピードで上回るプライス(左)が、長身の李をシャットアウトした
スピードで上回るプライス(左)が、長身の李をシャットアウトした

女子ミドル級決勝 ローレン・プライス(イギリス)【判定5-0】李倩(中国=リ・キアン)

 スピードと切れ味で上回るサウスポー、プライスが、自在のボクシングを展開する。リーチで上回る李だが、プライスを追いかけられない、プライスは正確な左ストレートと右フックを集めて、危なげなく金メダルへと駆け抜けた。
猛烈な好打戦となったが。ジャロロフ(左)がトーレスを圧倒した
猛烈な好打戦となったが。ジャロロフ(左)がトーレスを圧倒した

男子スーパーヘビー級決勝 バホディル・ジャロロフ(ウズベキスタン)【判定5-0】リチャード・トーレス(アメリカ)

 2019年世界選手権で、ジャロロフの強打に失神KO負け。選手生命をも脅かされるほどのダメージを負ったトーレスは、この再戦に奮闘したものの、力の差はいかんともしがたい。初回こそ、同じサウスポーのジャロロフに左カウンターを決めてぐらつかせる見せ場は作ったが、その後は、身長で13センチも上の巨体からの猛攻にさらされされた。2ラウンドには頭を振って耐えるところを“ローヘッド”の反則にとられて減点。直後に左ストレートを痛打されてスタンディングカウントを取られた。トーレスは最後まで勇敢に戦ったが、ジャロロフはこれを難なく跳ね返していった。

文◎宮崎正博 写真◎ゲッティ イメージズ Photos by Getty Images

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