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2021-09-10

【ボクシング】赤井英和の息子、英五郎が11日にデビュー。日本タイトル戦はコロナ陽性で中止

浪速のロッキー2世、赤井英五郎(左)はデビュー戦に向けて計量合格

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11日、東京・後楽園ホールで開催される『ダイナミックグローブ』の計量が10日に行われ、出場全選手がクリアした。が、PCR検査の結果、日本ライトフライ級1位の芝力人(真正)と空位の日本ライトフライ級タイトルを争うはずだった同級2位の岩田翔吉(帝拳)が新型コロナウイルス陽性判定を受け、急きょ中止に。セミファイナルのチャンピオンカーニバル出場権をかけたウェルター級の最強挑戦者決定戦がメインに繰り上がることになった。第1試合には、1980年代に人気を博した“浪速のロッキー”こと、赤井英和さんの長男・赤井英五郎(帝拳=26歳)のプロデビュー戦が組まれ、全2試合で行われる。

 オンライン会見に応じた赤井ジュニア。プロデビュー戦同士となる岡村弥徳(八王子中屋=23歳)との東日本新人王ミドル級準々決勝が初陣の舞台となったが、「今までにないぐらい落ち着いていて、逆に心配になるぐらい緊張していない」という。アマチュア時代から帝拳ジム、また東京農大などで練習していたが、あくまでもジムワークの拠点。「課題を共有する仲間、僕のチームがある、という心の支えが大きい」と語った。

 20歳でボクシングを始めてから、初めて指導者についた小山和博トレーナーのもと、「立ち方、バランスの取り方に始まり、また初心に返って、1からやり直してきた」。ジムメイトとのスパーリング、マスボクシングで、スタイルや体格の異なる相手に応じて、対処するなかで「自分の苦手なところが見えてくる」という。試合前日にも関わらず、「早く、また一緒に練習したい」の言葉に充実した日々がうかがえた。

 ジムの誰からも指摘されるのが「ガードの甘さ」で、ディフェンスが課題のひとつだが、パンチ力、パワーには自信がある。
「(自分のパンチが)当たればKOだと思います。いつ、どのタイミングで当たるか分からないけど、そのための練習を今日までやってきたので、とにかく前に出て、“思いきり、ぶん殴りに行く”という感じかな。楽しみです」

 ラグビー、アメリカンフットボールを経て、アメリカの大学に在学中、「自分の可能性に挑戦したい」とグローブを握った。東京オリンピックを目指して帰国。2018年の全日本社会人選手権ミドル級を制するも大願は果たせなかった。今度はプロのリングで自分の可能性を確かめる。順調に勝ち上がっていけば、父・赤井英和さんと同じ4戦目が全日本新人王決定戦となるが、果たして──。
メインに繰り上がった永野祐樹(左)と別府優樹の一戦
メインに繰り上がった永野祐樹(左)と別府優樹の一戦

 メインは元王者同士の激突。前日本ウェルター級王者で現在は同級1位にランクされるサウスポーの永野祐樹(帝拳=32歳、21戦18勝14KO3敗)、元WBOアジアパシフィック同級王者で2位の別府優樹(久留米櫛間=30歳、24戦21勝20KO2敗1分)、戦績が示すとおりの強打者対決は2018年10月、福岡・久留米で同じく最強挑戦者決定戦を戦って以来の再戦。このときは永野が武器の左強打でダウンを奪い、熱戦の末、敵地で判定勝ちを収めている。

 永野は昨年2月、この階級の第一人者、小原佳太(三迫)に7回TKO負けで王座を追われ、同12月に1ラウンドKO勝ちで再起を果たした。別府は今年5月、永野と同門の東洋太平洋王者、豊嶋亮太との王座統一戦に10回KO負けし、ベルトを失ってからの再起戦。日本タイトル挑戦権をかけたサバイバルマッチに注目である。

文◎船橋真二郎 写真提供◎帝拳ジム
岩田翔吉(右)選手がコロナ陽性となり、日本ライトフライ級王座決定戦は計量を終えながら中止になった
岩田翔吉(右)選手がコロナ陽性となり、日本ライトフライ級王座決定戦は計量を終えながら中止になった

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