カナダのプロフットボールCFLに日本から挑戦しているモントリオール・アルエッツのRB李卓(オービックシーガルズ)が、現地9月18日に行われた、レギュラーシーズン第7週のBCライオンズ戦に出場し、2回のキックオフリターンで計48ヤードを記録した。
日本の選手がCFLの公式戦で出場するのは、ウィニペグ・ブルーボマーズのLB丸尾玲寿里(アサヒ飲料チャレンジャーズ)、ライオンズのKだった山﨑丈路(オービック)に続いて3人目だが、ボールを持って走ったのは初めて。李卓はキッキングのカバーチームとしても出場し、1タックルも記録した。
李卓は自身のSNSアカウントで
「応援ありがとうございました!
久しぶりの試合、慣れないポジション、とにかく思い切りやって、ミスもありました。まだまだ良くなれます。もっとハッスルしてチームの勝利に貢献したいです」
と投稿した。
試合はアルエッツが18-27でライオンズに敗れた。アルエッツはタッチダウン(TD)が奪えなかった。
李卓は南山高校、慶応大学、オービックを通じて愛着のある♯29を付けてフィールドに登場。試合最初のプレーで、ライオンズのリターナー、元NFL選手のクリス・レイニーをタックル。第4クオーターには2度キックオフリターナーとしてプレーし、29ヤードと19ヤードのリターンを記録した。
特筆すべき点がある。アルエッツは、グローバルプレーヤー用の1枠は正Kのジョセフ・ジーマに使っており、ジーマはライオンズ戦でもプレーしていた。つまり李卓はグローバル枠ではなく、選手としての正味の実力でロースター登録されたことになる。
今回のアクティブロースター昇格は、アルエッツの2番手RBキャメロン・アーティスペインが、ロースターから外れたことに伴う措置とみられる。李卓は、BCライオンズ戦では、デプス上は3番目のRBだったが、スペシャルチーマーとしてプレーした。
アーティスペインは、米の名門オーバーン大の出身で、NFLパンサーズで4シーズン32試合に出場した実績を持つRBだが、今年31歳になるベテランで将来性がある選手ではない。今回李卓が数少ない出番で、きっちりと結果を出したことは将来につながる可能性がある。
李卓は、9月17日、自身のSNSアカウントで、プラクティスロースターからアクティブロースターに昇格したことを公表。「CFLデビュー戦、そしてホームゲームを思い切り楽しみたいと思います」と投稿していた。
ブルーボマーズの丸尾はスペシャルチーム要員としてここまで全試合に出場し、6タックルを記録している。ライオンズの山﨑は開幕週で日本人初得点を記録したが、第2週を終わった段階で戦力外となり、すでに日本に帰国している。
サマーキャンプ中の李卓=(C) Dominick Gravel,Montreal Alouettes