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2021-09-28

山上り候補が参戦、5区の前哨戦が繰り広げられる激坂最速王決定戦。“三代目・山の神”神野大地が再び箱根の山に挑む

2015年1月の第91回箱根駅伝。青山学院大の3年生だった神野大地(セルソース)は、5区・山上りで圧倒的な走りを見せ、チームの初優勝に貢献した。コースは少しだけ異なるが、23.2㎞の距離で、柏原竜二(東洋大OB)、今井正人(トヨタ自動車九州、順天堂大OB)ら“山の神”と称された名手の記録を上回り、“三代目・山の神”の称号を神野は継いだ。

 現在はマラソンランナーとして活躍する神野は、今年11月13日(土)に開催される「激坂最速王決定戦2021」に、第1回大会以来となる2度目の出場を表明している。自身にとって飛躍のきっかけとなった箱根の山に再び挑む。
今季、神野は10月17日(日)に予定されていた東京マラソン2021でマラソン初戦を迎える予定だったが、開催中止となったため、12月19日(日)の防府読売マラソンにシフトする予定だ。目標レースの約1カ月前に「激坂最速王決定戦2021」に出場することには、もちろん理由があった。

第1回大会ゲストランナーで走る神野

「激坂最速王決定戦2021が開催される11月中旬は、防府の約1カ月前で、僕自身、一番良い練習をして追い込んでいる時期だと思うので、うまくレースを活用して、マラソンにつながるような1日にできればなと思っています。
スピード練習でも心肺機能を追い込むこともできますが、上りのほうがより追い込めますし、我慢する練習にもなります。普段の練習で坂道を走る際にも、そういうことを実感しています。

 それに、年齢を重ねると、スピードを出して心肺を追い込むことが難しくなると思うのですが、上りは、ペースが速くなくても、心肺機能に負荷をかけられるんです。なので、一般ランナーの方にとっても、上りを走ることには大きなメリットがあると思います。

 ちょっとした坂は身近なところにもあると思いますが、13㎞も続く上りのコースを走るとなると、そんな機会はなかなかありません。13㎞の上りで自分を追い込むことができれば、マラソンのレースでも、我慢を長く続けられることに繋がってくると思います。

 あと、上りを走った翌日って、結構動きが良くなっているんですよ。皆さんは、“疲れるのでは”と思うかもしれませんが、上りだとペースがそんなに速くないので、筋肉の疲労も意外にもそんなにないんです。大学時代には、5区・山上りを想定したタイムトライアルを行っても、その翌日にはみんなと一緒にポイント練習をしていたくらいですから。山下りのほうは、その後1週間ぐらい休みになるんですけどね…(笑)。

 翌日以降、それまできつく感じていた練習が、意外に楽にこなせるようになっているのを実感しやすいと思いますよ。

 一般ランナーで参加される方は、本当にこれ以上にない良い練習になると思います。皆さん、いろんな目標を持っていると思いますが、その目標に近づくための“良い練習をしに行くんだ!”っていう気持ちで走ってもらえればな、って思います。僕自身もそういう気持ちで走ります」

 昨年の「激坂最速王決定戦」は、多くの学生ランナーが出場したことでも話題になった。

「激坂最速王決定戦」は、片道13.5㎞、標高差981mのアネスト岩田ターンパイクの特設コースを駆け上がる。国道1号を走る箱根駅伝とはコースが異なるが、“仮想5区”として箱根5区を疑似体験できるのが大きな特徴だ。
また、感染症対策として、参加募集人数を上限3,000人とし、密集を避けたウェーブスタートを採用しているので、一般ランナーも、“追う”“追われる”駅伝のような展開を体感できる。



 前回は、見事に“激坂王”の称号を手にした創価大の三上雄太が、箱根5区でも区間2位と好走し往路優勝のフィニッシュテープを切った。また、三上のほかにも、2位の津田将希(順天堂大)、3位の村越凌太(日体大)、5位の竹石尚人(青山学院大)、8位の荒井雄哉(東京国際大)が、今年1月の箱根駅伝の5区を走っている。

 今年も多数の“山上り”候補が参戦を予定しており、さながら“5区の前哨戦”が繰り広げられることになりそうだ。

 かつて“山上り”で名を馳せた神野も、「激坂最速王決定戦」の“5区の前哨戦”としての側面にも注目している。

「箱根5区の本格的な上り区間も実際には13㎞くらいです。13㎞も続くような上りってなかなかないんですよね。3㎞とか5㎞程度の上りなら各地にあるかもしれませんが、その程度の距離であれば走力で押し切ることができてしまいます。やはり10㎞以上の上りとなると、全くの別物だと思います。

 カーブの多い国道1号に対してターンパイクは直線的と、そういう違いはありますが、箱根のコースと傾斜も上りの距離も同等ですし、「激坂最速王決定戦」はかなり5区のシミュレーションになると思います。

 5区を目指している選手は、激坂最速王決定戦で結果を出せば、ぐっと正選手が近づくと思います。でも、5区って、調子が良いから走れるわけではなく、淡々と自分のペースを刻み、自分の能力を発揮することが大事だと思うんです。

 前回優勝した三上君は、激坂王になったことはもちろん自信になったと思いますが、上りでの自分の能力をちゃんと把握できたことが大きかったと思います。それが、結果的に箱根でも、先頭でタスキを受けて良いペースでレースを進められたことに繋がったのだと思います。

あんまり意気込まずに、本番も練習の一環みたいな意識で走ったほうが、力を発揮できるんじゃないかな。大学生ランナーには、激坂最速王決定戦もそういう気持ちで走ってほしいですね。



 箱根駅伝は視聴率30%にも上る、多くの人が見ているスポーツイベントですが、その中でも5区の注目度は高いと思うんです。難所の箱根の坂を一生懸命上っている大学生の姿に、みんな尊敬の念を持ったり、すごいなと思ったりするので、5区の注目度は高くなるのでしょう。

 そして、単純に5区がどれぐらいきついのか、疑問に思っている一般ランナーの方も多いと思いますが、それを体感できるのが「激坂最速王決定戦」なんですよね。

 誰しもが、上りが大好きなわけではないと思うし、上りを走るのはやっぱりきつい。僕自身も、走らなくていいのであれば、やっぱ練習でも上りは走りたくないですし(笑)。でも、強くなるために、坂を練習に取り入れるし、激坂王にも挑戦するんですけどね。

 僕はこのレースに参加する一般ランナーの方も、箱根の5区を狙う大学生も、坂に挑むっていう行為が素晴らしいことだなと思っています。さらに、その上でゴールに辿りついたのなら、なおのこと、素晴らしいですね」

【大会概要】
激坂最速王決定戦2021@ターンパイク箱根

開催日時:2021年11月13日(土)※雨天決行・荒天中止
※原則として雨天決行。台風や同等の風雨、霧などにより主催者が安全を確保できないと判断した場合は中止
会場:神奈川県 アネスト岩田ターンパイク箱根 特設コース
参加募集人数:最大3,000人(ロードレースの部2,500人、ウォーキングの部500人)
主催:激坂最速王決定戦2021実行委員会
協賛:アネスト岩田株式会社 / 箱根ターンパイク株式会社 / 株式会社明治 / VAAM / 株式会社 フォトクリエイト
協力(50音順):
鈴廣かまぼこ株式会社 / 箱根登山バス株式会社

競技スケジュール
8:30〜 受付開始(予定)
10:00〜 ピストンの部(27km)スタート
11:30〜 登りの部(13.5km)スタート
12:30〜 ウォーキングの部スタート
14:00頃〜 下山コースの開放 [箱根大観山口(アネスト岩田スカイラウンジ)~小田原料金所(早川)]
※自走希望の方のみ。交通規制の解除ではありません。

・新型コロナウイルス感染症対策について
http://hakone-saisoku.com/covid.html
・大会オフィシャルHP
http://hakone-saisoku.com/

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