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2020-10-16

伝説の箱根ランナーが語る箱根の山に挑む魅力

「山の神」が生まれる前の伝説の箱根ランナー大村一さん。塩尻市役所の職員となった現在も、ランナーとして走りを楽しんでいる。その大村さんが、また、箱根の山に挑む。大会は名称を「山道最速王決定戦」から変更して2年ぶりにアネスト岩田ターンパイク箱根で開催される「激坂最速王決定戦2020」(11月21日)だ。

いまだ語り継がれる強風の中の激走

「魅力は登りきった先に広がる空です。登っている最中は、蛇のごとく曲がりくねる激坂だけが視界のほとんどを占めます。しかし、その激坂に打ち勝った先に待つ大空は、勝ち抜いた者だけに与えられるご褒美です」

 最速王決定戦の魅力をこう語るのは、法政大の選手として箱根駅伝5区を走り、現在も塩尻市役所の所属で競技を続けている大村一さんだ。オレンジエクスプレスと呼ばれた法政大の主将として出場した第77回大会(2001年)での激走は、今でも箱根駅伝ファンの間では語り草となっている。

 トップでタスキを受けて小田原中継所を飛び出した大村さんは、強風が吹き荒れる箱根山中で追ってきた2人の選手と三つ巴の戦いを演じた。

 競い合ったのは優勝した順天堂大の奥田真一郎さんと中央大の若きエースで、現在、母校の駅伝監督として名門チームを率いている藤原正和さん。2人とも学生長距離界のトップクラスで、誰もが知る存在だったが、大村さんを知る箱根駅伝ファンはほとんどいなかった。

 そんな大村さんが、2人にくらいつき、抜きつ抜かれつの攻防を展開した。芦ノ湖のゴールに胸を突き出しながら3位でフィニッシュした光景は、動画サイトで何度も再生されている。


一般ランナーとして競技を続けている大村さん。フィニッシュシーンは学生の時と同じ

 最速王決定戦は、箱根の激坂を攻略する楽しみを学生アスリートだけでなく、一般のランニング愛好家やトレイルランナーにも味わって欲しいという思いで2017年に誕生した。今年は、「山道」から「激坂」に名称を変更し、登りと下りを楽しめる「ピストンの部」も新設される。

 箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟では、箱根駅伝の5区と6区での試走を禁止している。そのため、箱根の坂を経験しておこうと、山の候補選手たち、未来の「山の神」たちも出場する予定だ。

 青山学院大学 陸上競技部から「登りの部」に5名の招待選手の参加が決定。箱根駅伝でおなじみのフレッシュグリーンのユニフォームが激坂を駆け抜ける。

 また、2019年の箱根駅伝で東海大初優勝の原動力となり、1500mの第一人者の館澤亨次(横浜DeNA RC)も「登りの部」に出場することが決まった。

 過去の大会では、「レースで初めて脚が止まってしまった」「心拍数がこんなに上がったのは初めて」と、激坂の苦しみを笑顔で振り返る一般ランナーが多く見られた。厳しいから楽しい。乳酸地獄を味わった笑顔の奥には、胸を打つ箱根駅伝の激走のステージに自分が立てた喜びもあるようだ。

 首都圏から旅気分で参加できる大会は、坂で誰が一番強いのかを確認できる。登りのフィニッシュ地点からの展望も素晴らしいが、下りを走るときれいな駿河湾が目の前に広がる。

「頂から広がる空の開放感は箱根駅伝以上です」と最速王決定戦の魅力を語る大村さんだが、こう続けて笑顔を見せた。「前回参加した際は天候が悪く、まだ私も本当の魅力を味わえていません」

「登りの部」のフィニッシュ地点である箱根大観山口(アネスト岩田スカイラウンジ)は、芦ノ湖の先に富士山が望める絶景スポットだ。大村さんは、この大会の本当の魅力を味わうことはできるだろうか。

箱根駅伝のコースとは異なるが、箱根の山の登りと下りを満喫できるコース設定になっている(大会事務局提供)
箱根駅伝のコースとは異なるが、箱根の山の登りと下りを満喫できるコース設定だ(大会事務局提供)

前回の大会は2018年。2年ぶりに箱根の山にランナーが戻ってくる
前回の大会は2018年。2年ぶりに箱根の山にランナーが戻ってくる

【大会概要】

激坂最速王決定戦2020@ターンパイク箱根

・開催日時:2020年11月21日(土)※雨天決行・荒天中止

・会場:アネスト岩田ターンパイク箱根 特設コース

・受付、インフォメーション:小田原市 山根公園(予定) 神奈川県小田原市早川二丁目21番1
小田原駅から徒歩25分/小田原駅から箱根登山鉄道「箱根板橋駅」まで4分 箱根板橋駅から徒歩8分/小田原駅から東海道本線「早川駅」まで2分 早川駅から徒歩13分

・参加募集人数:最大3,000人(ロードレースの部2,000人、ウォーキングの部1,000人)

・種目
①ピストンの部(27.0km)制限時間5時間
スタート 小田原料金所(早川)/折り返し 箱根大観山口(アネスト岩田スカイラウンジ)/フィニッシュ 小田原料金所(早川) 標高差981m、平均勾配7%
②登りの部(13.5km)制限時間3時間
スタート 小田原料金所(早川)/フィニッシュ 箱根大観山口(アネスト岩田スカイラウンジ) 標高差981m、平均勾配7%
③ウォーキングの部(登り・13.5km)

・参加条件
①②18歳以上
③小学生以上有料(未就学児無料)

・参加料
①9,900円
②7,700円(※下山バス代別途有料)
③中学生以上:1,500円、小学生以下:1,000円(※下山バス代含)

・スケジュール
8:30~ 受付開始
10:00~ (1)ピストンの部 スタート
12:00~ (2)登りの部 スタート
13:00~ (3)ウォーキングの登りの部 スタート
14:00~ 下山コース開放 箱根大観山口(アネスト岩田スカイラウンジ)~小田原料金所(早川)

・応援チケット:コース上での応援はできません。応援を希望する方は応援チケット(送迎付き)をご利用いただき、箱根大観山口(アネスト岩田スカイラウンジ)にて応援してください。
 中学生以上:1,500円(税込)
 小学生:1,000円(税込)
 http://l-tike.com/order/?gLcode=34190
・下山チケット:選手下山チケット(送迎付き):1,000円(税込)

【主な招待選手】

 福島和可菜(1982年、北海道生まれ、元陸上自衛官)
「坂があったら走りたい隊長! 福島和可菜です!実は私のYouTubeチャンネルでも激坂にチャレンジしています! 今回は姉妹での参加!私自身も楽しみながら、大会を盛り上げていきたいと思います! 楽しく登るゾー!」

 福島舞(1985年、北海道生まれ)
「2018年に引き続き今年も挑戦させていただきます! 移り変わる景色、変化する気温、足がどんどん重くなっていくあの感覚…… 思い出すだけでワクワクが止まりません!」

 三浦裕一(1987年、神奈川県生まれ)
「2018年に引き続き、走れる機会を作ってくださって感謝します。普段走る事ができないコースなので、全力で楽しみたいと思います!」

 松山優太(1987年、兵庫県生まれ)
「とにかく楽しく、笑顔で駆け抜け、ハムストリングが売り切れるまで大売り出しします!きつい時こそ笑顔、きつすぎる時は大笑い、全力で登りきった先、最高の笑顔で会いましょう!!」

 尾藤朋美(1990年、東京都生まれ)
「ボディメイク界最速ランナーとして激坂も突破していきます! 絶対に止まらない!! 笑顔でゴールテープを切るために走り続けます!!!」
新型コロナウィルス感染予防対策が行われるレースとして、ウェーブスタートを採用するなど運営上の対策のみならず、参加者へのお願いもうたわれている。

・新型コロナウイルス感染症対策について
http://hakone-saisoku.com/covid.html

・主催:山道最速王決定戦2020実行委員会

・特別協力:アネスト岩田ターンパイク箱根

・大会オフィシャルHP http://hakone-saisoku.com/

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