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2021-11-14

【相撲編集部が選ぶ九州場所初日の一番】一人横綱・照ノ富士、落ち着いて白星発進

一人横綱の重責を背負う照ノ富士が落ち着いて霧馬山を一蹴、初日を白星で飾った

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照ノ富士(小股掬い)霧馬山

昨年の11月場所は両国国技館で開催されたので、2年ぶりの九州場所になる。新型コロナの感染者は減ってきたが、力士たちは場所前、場所中は原則として外出禁止。千秋楽後にうまいものを食べて、東京に帰ることになるのだろう。

優勝争いは、白鵬の引退で一人横綱となった照ノ富士が中心。その照ノ富士は初日に新小結の霧馬山と顔が合った。

立ち合い、右からカチ上げた照ノ富士だが、霧馬山は左を差し込み、右を巻き替えてモロ差しの体勢。照ノ富士もすぐに左を巻き替え返して左下手を取る。霧馬山は頭をつけるが、照ノ富士もヒザを曲げ、腰を落として守りの形をつくる。

照ノ富士は左を深く差すとカイナを返し、霧馬山の上体を起こして胸が合った。このままではまずい霧馬山が右上手投げを放つも、照ノ富士は左下手投げを打ち返し、最後は泳いだ霧馬山の右太ももを抱えて、小股掬いで倒した。照ノ富士が慌てず、相手の攻めをうまく返していった相撲だった。

やや手こずった照ノ富士だが、「すべてが思いどおりにはいかないので、落ち着いて取れてよかったです」とホッとした様子。

「久しぶりに福岡に来たので、九州の皆さんを喜ばせたいと思っていた」と語る。

白鵬の引退で横綱の重責を1人で背負うが、「特に感じてない」とこれまでと変わらないことを強調。「一日一番、集中してやるだけですから。土俵に上がったら一生懸命やるだけなので、頑張っていきたい」と気を引き締めた。

照ノ富士の力は大関以下とは大きな差があり、誰が横綱を止めるのかが、今場所の見どころとなる。本来なら大関の正代と貴景勝が対抗馬とならなくてはいけないのだが、早くも正代に土がついた。

大関と平幕上位の実力差がほとんどないのが現状で、調子のいい力士が照ノ富士と優勝を争うことになるのだろう。初日の相撲を見る限り、御嶽海、大栄翔の内容がよかったが、果たしてどうなることか。

文=山口亜土

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