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2021-11-24

【相撲編集部が選ぶ九州場所11日目の一番】幕内復帰の阿炎、宇良を破り10勝目

上から下に突いて宇良を中に入れさせなかった阿炎が突き倒しで破り、白星を二ケタに乗せた

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阿炎(突き倒し)宇良

九州場所の優勝争いは照ノ富士が全勝で単独トップに立ち、1差で追うのが大関貴景勝と幕内に復帰した阿炎の2人。11日目は阿炎と宇良の注目の一番が組まれた。

この2人は過去に一度だけ対戦。5年半前の平成28年春場所、幕下で顔が合い宇良が押し出して勝った。その当時とは2人とも体型も変わり別人になっている。宇良も前日に勝ち越しを決め、好調なだけに熱戦が期待されたが、勝負は一方的なものになった。

立ち合い、低く潜り込もうとする宇良に対し、阿炎はよく見て相手の両肩をモロ手突き。中に入れさせず、顔のあたりを突き立てると、宇良は何もできずに腰から崩れた。宇良の低い立ち合いにモロ手突きが空振りする力士も多いが、阿炎は上から下に突いて、潜らせなかったのが勝因だ。敗れた宇良は、「強かった。完敗です」と脱帽。

1敗を守った阿炎は、「低さでは勝てないので、よく見て突いていった。しっかり一歩踏み込んで、落ち着いて取れたのでよかった。よく見てよく手を出してと思っていた」と振り返った。

相撲協会の新型コロナウイルスに対するガイドライン違反で、半年間の謹慎処分となり、番付は幕下下位まで下がった。しかし、そこから4場所で幕内に復帰。以前は師匠の錣山親方(元関脇寺尾)が、「大人になりきれない子供」と嘆いていたが、精神的に大きく成長した。

「師匠からは『感謝の気持ちを忘れないように』と言われているので、それを肝に銘じている」と語る。稽古や本場所での心構えも大きく変わった。

「勝ち負けは気にせず、勝ち星も意識していない。勝ち星を気にしなければ、より集中できるんじゃないかと思っている。一番に対する集中力が以前とは違う」と語る。

さらに続けて、「立ち合いもやりたいことだけしか頭に入っていない。昔は考えず感覚だけでやっていた。今は対戦相手の相撲を初日から全部見ている。昔はいっさい見ていなかった」としっかり相撲に向き合うようになった。

12日目は2敗と好調な玉鷲戦。ここを突破すれば、役力士との対戦も組まれるだろう。今の阿炎は三役で勝ち越していたころよりも強いかもしれない。

文=山口亜土

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