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2021-12-02

【ボクシング】巧さに強さ備わった! 三代大訓が“曲者”西谷を豪快に屠る

鮮やかな右を決めた三代

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 2日、東京・後楽園ホールで開催された60.5kg契約の8回戦は、IBF世界ライト級15位で元OPBF東洋太平洋スーパーフェザー王者の三代大訓(みしろ・ひろのり、27歳=ワタナベ)が、元日本ライト級王者の西谷和宏(34歳=VADY)を6回2分1秒のTKO勝ちで下した。

文_杉園昌之 写真_馬場高志

 圧巻のKO決着でプロデビューから無傷の11勝目。三代は持ち前の巧さに加えて、強さも強烈に印象づけた。

 初回こそ西谷のしなやかな左ジャブを嫌がったが、2回以降は落ち着いて距離を支配。要所で中距離から切れ味鋭い左ジャブを当て、接近すれば力強いフック、そして細かいボディの連打でペースをつかんだ。「2回でもう負けないと思いました」と勝利を確信。ギアは徐々に上げていった。3回、4回と手数を増やし、確実にペースを引き寄せていく。

 後楽園ホールが大きな拍手で沸いたのは5回の終了間際。止まらない連打で相手のバランスを崩し、力強い右をぐっと伸ばす。パンチがまともに顔面にヒットすると、西谷はキャンバスで大の字に。ラウンド終了のゴングが鳴り、仕留める時間こそなかったものの、もはや優勢は揺るがない状況だった。6回はコーナーから落ち着いて出て行く。ダウンしたばかりの相手が猛攻を仕掛けてくるなか、しっかりブロッキング。ずっとチャンスをうかがっていたのだ。ラウンドの中盤過ぎ。攻め疲れたスキを見逃せなかった。カウンターの右フックで一撃。西谷が再びキャンバスに仰向けで倒れ込むと、すぐさまレフェリーが試合をストップした。

西谷を2度にわたって大の字にした
西谷を2度にわたって大の字にした

 昨年12月、ライト級に転級してきた元WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(横浜光)に判定勝ちを収め、1年ぶりのリングでも文句なしの結果を残した。残すターゲットはOPBF東洋太平洋、WBOアジアパシフィック、日本のベルトを持つ三冠王者・吉野修一郎(三迫)のみ。
「誰に勝って、世界に行くかが大事。吉野選手に勝って行くのがベスト」。世界初挑戦へ向けて、着実に階段を昇っている。

 11月にアマチュアの世界選手権ウェルター級で金メダルを獲得した岡澤セオンからも刺激を受けており、中央大の先輩として「後輩には負けてはいられない」と意気込む。来年は激戦区の世界ライト級戦線へ名乗りを上げるつもりだ。

 一方、敗れた西谷の戦績は28戦21勝(12KO)6敗1分。試合前日は「想定外のことをしたい」と話していたが、見せ場をつくることはできなかった。

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