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2021-12-05

【ボクシング】デビン・ヘイニーが快勝。暫定王者ジョジョ・ディアスを破る

ヘイニーは長く正確なパンチを決め、ときには打ち合いもいとわず、順当な判定勝ちを手にした

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 WBC世界ライト級タイトルマッチ、チャンピオンのデビン・ヘイニー(アメリカ)対暫定チャンピオン、ジョセフ・“ジョジョ”・ディアス(アメリカ)の12回戦は、4日(日本時間5日)にラスベガスで行われ、ヘイニーが3-0の判定勝ちで、3度目の防衛に成功した。暫定王座を含めるとすでに3階級制覇しているディアスはワンチャンスにかける戦法で何度か会場を盛り上げたが、ヘイニーがそのスピードと手数で戦いの9割方を支配した。なお、WBCではフランチャイズチャンピオンとして、テオフィモ・ロペス(アメリカ)に勝ったジョージ・カンボソス(オーストラリア)を認定しており、この一戦の前までライト級に3人のWBC世界チャンピオンがいたことになる。

 戦いをおもしろくしたのは、ディアスの決死の作戦だった。戦前の予想は大きくヘイニーの有利に傾いていた。スピード豊かで、センスは抜群だ。5月のホルヘ・リナレス(ベネズエラ/帝拳)戦では終盤、大ピンチに立たされたが、無難にアウトボクシングをしていれば、そうそう崩せない安定感がある。サウスポーのディアスは闘魂あふれるファイターでも、さしたるパンチャーではない。だとしたら、勝機はヘイニーを自分の領域に誘い込み、一気に切り崩すしかない。そんなディアスの作戦が3度、4度と功を奏しそうになる。

 細かいステップを踏んで距離を確認しながら戦い始めたヘイニーは、長い右ストレートを次々に突き刺してくる。ディアスはがっちりと両腕で顔面を固めたが、何発かはガードを突き抜けた。さらにボディへはほとんどのパンチがヒットする。リズムに乗ったヘイニーはストレートに左フック、さらに右アッパーとまじえるようになる。そして距離はだんだんと縮まっていった。
ディアス、渾身の右フックが炸裂する。だが,勝利を引き寄せられない
ディアス、渾身の右フックが炸裂する。だが,勝利を引き寄せられない

 迎えた4ラウンド、ディアスのボディブローにヘイニーがたじろいだ。さらに中に入って右フックもヒットする。7ラウンドにも暫定チャンピオンの左フックが4発続けて顔面に襲いかかる。9ラウンドは最後にヘイニーの右を浴びてしまったが、それ以前にはしつこい攻めで場内を沸かせている。

 肉を切らせて骨を断つ。そんなディアスの戦法が、ヤマ場を作ったのはそれくらい。ヘイニーは一時的に足を使って、相手の出端を叩く戦い方を選んだが、すぐさま強気に打って出る。右ストレート、アッパー、左フックはあくまでシャープで、ときに大きく上から拳を振り下ろすチョッピングライトも披露した。最終回、KO以外に勝機がないディアスは左フックで迫ったが、ヘイニーも強気にやり返し、そのままゴングに流れ込んだ。

 判定は117対111が2者に、もう1人が116対112の3-0だった。

 徹底した安全運転型から打ち合いもいとわないボクサーパンチャーへと脱皮を図るヘイニーは、今回も危なっかしいシーンを作ったが、勇気あるモデルチェンジが、この23歳を一段上のスター軍団入りへと押し上げるかもしれない。そのために必要不可欠なのは、統一チャンピオン、カンボソスとの対戦。「必要ならば、木星に行ってでも戦う」とヘイニーは語っている。27戦27勝(15KO)。

「ベストになるための戦いは終わらない。ボクサーでいる限りずっと」と語ったディアスは、どこまでも勇敢で、この敗戦でファンを取り逃がすことはないはずだ。35戦32勝(15KO)2敗1分。

文◎宮崎正博(DAZN観戦) 写真◎ゲッティ イメージズ

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