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2021-12-13

【ボクシング】12・14両国は武居由樹にも注目!

2020年12月13日。場所は同じく両国国技館。『K-1 WORLD GP 2020 JAPAN』のリング上で「K-1卒業、ボクシング転向」を表明した武居由樹(25歳=大橋)。あれからちょうど1年、井上尚弥2年ぶり日本凱旋のリングで、プロボクシング界のスーパーホープとして帰ってくる──。

 今年3月のプロボクシングデビュー戦、そして9月に行われた2戦目と、ともに1ラウンドKO勝ち。初戦は左ストレートで、2戦目は右フックのカウンター一撃と、倒すパンチも多彩。大橋秀行会長は「どのパンチも威力がもの凄い」と唸り、元世界3階級世界チャンピオンで彼を指導する八重樫東トレーナーは、「打つタイミングと間合いが独特」と武居の格闘技センスを評価する。

 東京・足立区にあるキックボクシングジム『POWER OF DREAM』(古川誠一会長)。家庭環境に恵まれなかったり、素行が悪かったりという事情を抱える子どもたちを住みこませ、共同生活の中で礼儀作法から指導する“学び舎”に、武居は10歳で入門。そして都立足立東高校に進学するとボクシング部に入り、卒業後はキックの世界に飛び込んだ。




 2014年11月にデビュー。2、3戦目と敗北を喫したものの、その後は一気に駆け上がった。2019年6月にはK-1 WORLD GPスーパーバンタム級チャンピオンを制す。キック時代の通算戦績は25戦23勝(16KO)2敗。 

 12月14日、両国国技館で迎える武居のプロボクシング3戦目は、初のA級(8回戦以上を戦えるライセンス)試合。対する今村和寛(29歳=本田フィットネス)は、2014年長崎国体ライト級3位という肩書を持つ元アマチュアボクサー。佐賀学園高校から名門・日本大学に進学し、52戦32勝(10KO)20敗というキャリアを持つ。2019年3月にプロデビューし、まだ3戦しかしていないが、昨年11月にはあの辰吉丈一郎の次男・寿以輝(大阪帝拳)と対戦し、プレッシャーをかけていたものの、偶然のバッティングによる負傷引き分け。3戦2勝(1KO)1分という戦績だ。

 武居と今村はともにサウスポー。前の手となる右腕の使い方が最初のポイントとなる。そして2人の間の距離が長かったり、中間距離であったりすれば武居のシャープな右、左ストレートが生きるはずだ。が、武居が唯一試されていないのが接近戦。キック時代ならば、首相撲やヒザ蹴りを使えたが、はたしてボクシングの戦いとなるとどうだろうか。今村はアマチュア出身ながら、離れた距離よりも接近戦のほうが得意な選手でもある。武居が長い距離をキープして戦うのか、それとも敢えて接近戦を挑むのか──。

 今村のセコンドには、この試合の後に行われるWBO世界ミニマム級王座をかつて保持していた福原辰弥さんが就く。八重樫、福原両氏の“元世界王者対決”も見どころのひとつだ。

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