close

2021-12-20

【箱根駅伝の一番星】東京国際大・三本柱の一角を担う山谷昌也「ラストスパートで勝負しチームに流れを引き込みたい」

東国大三本柱の一角を担う山谷

陸マガの箱根駅伝2022カウントダウン企画「箱根駅伝の一番星」は出場20校の注目選手を紹介。出雲駅伝初優勝に貢献した山谷昌也は、イェゴン・ヴィンセント、丹所健(以上、3年)と共に意気上がる東京国際大の三本柱を形成するひとり。そのスピードを生かして1区で切り込み隊長の役割を果たすつもりだ。

三本柱の評価がモチベーションに

出雲駅伝では1区で先頭と5秒差の区間3位でチームの初優勝に貢献。全日本大学駅伝2区では区間5位ながら3つ順位を上げてみせた。2つの駅伝の間には10000mで28分11秒94とチーム日本人歴代トップの記録も出している。山谷昌也は、史上最強留学生の呼び声が高いイェゴン・ヴィンセント、出雲、全日本でチームを首位に引き上げる走りを見せた丹所健の同級生と並び、東京国際大の柱といえる選手だ。

「1、2年生のときは10000mを走った後の駅伝では失敗してしましたが、今年はそこで結果を出せているのが成長しているところだと思います。ただ日本人エースという自覚はないですし、まだ丹所には敵いません。ただ丹所に負けたくない気持ちでやっていますし、周りから“三本柱”と評価されるのはうれしくて、“やってやろう”という気持ちになりますね」

入学時から潜在能力を高く評価されており、1年の全日本から大学駅伝を走ってきた。だが箱根駅伝では、1年時は1区で区間エントリーされながら右ひざの故障で当日にメンバー変更。そして前回はエントリー前に右足足底を痛め、16人のメンバーにも入れず、これまで箱根路を走った経験はない。過去2年の反省から今年は例年以上に慎重に準備を進めている。

「毎年気をつけてはいるのですが、今年はさらに気をつけて練習も生活も送っています。ここまではいい練習ができていますし、最後までケガにだけ気をつけて調整すれば、箱根でもいい走りができると思います」

普段通りの力が出せれば問題ないはず、と自信をにじませる。

 「超攻撃的布陣」の先陣を切れるか?

大志田秀次監督は「前半区間は実力者を並べ、手堅くいきたいと考えています」と1区・山谷、2区・ヴィンセント、3区・丹所の「超攻撃的布陣」で一気呵成にリードを奪う策をほのめかす。この3人が並べばレースを優位に進められることは間違いない。山谷自身も2年前に当日変更された悔しさを晴らす場として、そして自分の武器を生かせる区間として1区への意欲を示す。

「自分の持ち味はスピードです。集団で走って粘って、ラストスパートで勝負するのが自分に合っていると思っているので、そこでチームに流れを引き込みたいですね。まずはチームの往路優勝に貢献できる走りをしたいと思っています」

今大会、総合3位以内を目指す東京国際大の火付け役として山谷がどんな走りを見せるのか、期待したい。

やまたに・まさや◎2000年8月19日、茨城県生まれ。170cm・56kg、O型。中郷中→水城高(茨城)。高校時代はインターハイに2年(1500m)、3年時(1500、5000m)に出場し、2年時には決勝13位。全国高校駅伝には3年連続出場を果たした。大学入学後、学生駅伝では1、2年時は1区、3年時は2区と全日本大学駅伝3年連続出場。今季の出雲駅伝では1区3位の走りで、チームの初出場初優勝貢献した。自己ベストは、5000m13分49秒47、10000mで28分11秒94(共に2021年)。

文/加藤康博 写真/中野英聡

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事