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2021-12-22

【箱根駅伝の一番星】今季、力を大きく開花した順天堂大学の四釜峻佑「流れをグッと引き寄せる走りを」

今季、大学駅伝デビューを果たし、出雲、全日本で最終区を務めた四釜(写真/桜井ひとし)

陸マガの箱根駅伝2022カウントダウン企画「箱根駅伝の一番星」は出場20校の注目選手を紹介。全日本大学駅伝で3位に入り、勢いに乗る順天堂大。箱根では15年ぶりの総合優勝を狙う。今季、出雲駅伝、全日本共に最終区で区間一ケタの活躍を見せたのは昨年まで一度も三大駅伝を走っていない四釜峻佑(3年)だった。初の箱根で総合優勝に貢献する。

目標は5区で区間賞&区間新

「4月に10000mで自己ベストを出し、その直後に行われた山形県縦断駅伝を2区間走って、どちらも好走できたことで自信をつけたようです。そこから一気に成長してくれました。タフなところでの安心感、信頼感は高いものがあるので、箱根でもどんな走りをするか私も楽しみにしています」

 長門俊介監督は四釜俊佑(3年)を自信を持って送り出す。

 昨年度まで大学駅伝の出場経験はなく、箱根駅伝で16人のエントリーメンバーにも入ったことはない。その力が大きく開花したのが今年5月の関東インカレ1部ハーフマラソン。起伏の激しいコースで行われるなか、後半に上りの強さを発揮し、日本人トップとなる4位に入った。好調の要因として四釜は体質の改善を挙げる。

「これまで貧血の症状があったため、栄養士さんと相談してサラダチキンを毎日食べるなど、食生活を見直してきました。血液検査の結果もどんどん良くなってきていることが走れている理由だと思います」

今季は5000mで2回、10000mで3回自己ベストを更新しているだけでなく、出雲駅伝では6区で区間4位、全日本大学駅伝では8区区間2位と共にエースの集う最長区間で結果を残した。

「全日本では2つ上げられて自信のつく結果となりました。ただ区間賞が取れなかったことは悔しかったですね。もっと前半から攻めた走りができたんじゃないかとも思いますし、後半の走りも決して良くなかったので、箱根に向けてはその対応をしてきました」

 出雲、全日本の結果から見ても、順大のエースの一人と見て間違いないだろう。単独走でも競り合いでも強さを発揮でき、起伏のあるコースへの対応力も備える。どの区間を走っても役割を果たせるが、本人が希望するのは5区。得意の上りで勝負したいという。

「今井正人さん(現・トヨタ自動車九州)のようにゲームチェンジャーとして流れをグッと引き寄せる走りを目指します。もし5区を走るとすれば区間賞、区間新を狙いたいですし自信もありますので、周りと差をつける走りをしたいです。あとは体調不良にだけ気をつけて準備を進めます。」

「山の神」と呼ばれた偉大な先輩の名前を出した通り、四釜も歴史に名を残す走りをするつもりだ。順大の目標は総合優勝。そこに貢献できるだけの力が今の四釜にはある。その走りに注目して欲しい。


全日本で2つ順位を上げ、3位でフィニッシュした四釜。箱根ではトップで芦ノ湖のフィニッシュラインを越えたい(写真/JMPA)

しかま・しゅんすけ◎2001年1月7日、山形県生まれ。長井南中→山形中央高(共に山形)。166.8cm・55.5kg、A型。3年目の今年、主軸として大きく力を伸ばした四釜。5月の関東インカレでは、ハーフマラソンに出場し、日本人トップの4位。5000mと10000mの自己記録も複数回更新している。自己ベストは、5000m13分52秒90、10000m28分36秒03(共に2021年)、ハーフ1時間03分06秒(20年)。

文/加藤康博 写真/桜井ひとし、JMPA

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