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2021-12-22

【箱根駅伝の一番星】とにかく明るい山梨学院大学の源、松倉唯斗。「1区でチームを勢いづける走りを」

松倉は箱根駅伝予選会でポール・オニエゴ(4年)についで、2年連続チーム2番手につけた(写真/桜井ひとし)

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陸マガの箱根駅伝2022カウントダウン企画「箱根駅伝の一番星」は出場20校の注目選手を紹介。2年連続35回目の出場を果たした山梨学院大学。主将としてチームの良き雰囲気を醸成し、チームをけん引してきた松倉唯斗(4年)は、自身の快走で6大会ぶりのシード権獲得を誓う。

 攻めの姿勢を貫いた予選会

10月の箱根駅伝予選会では終盤まで日本人先頭争いに加わり、ポール・オニエゴ(4年)に次ぐチーム2番手。山梨学院大の2大会連続出場に大きく貢献した。

その果敢な走りは、飯島理彰監督を「最近の山梨学院大は競り合いの勝負をする前に後退することが多かったので、久しぶりに上位で戦う選手が現れてくれてうれしかった」と喜ばせた。

「予選会はどこまで粘れるか、走る前から楽しみにしていました。今までは強い選手と渡り合うことができなかったので、自分としても満足です。100点とはいきませんが、80点くらいの走りはできたと思います」

レース1週間前に足の違和感があったものの、「ここからジタバタしてもしょうがない」と開き直って攻めの姿勢で走ったことが成功したと松倉は振り返る。


11月の全日本大学駅伝では日本学連選抜の一員として2区で出場(写真/中野英聡)

自他ともに認める明るい性格


この予選会への挑み方が示す通り、自他ともに認めるポジティブで明るい性格だ。今季は主将として自分らしさを失わず、チームをけん引してきた。

「模範になる姿を見せなければいけないとは思っていましたが、自分はそんなに真面目なキャラではないですし、今年は面白いことをしていこうというチーム方針なので、部員が楽しく走れるように意識しています。ただメリハリは大事なので、副主将の川口航士郎や主務の遠藤雅也(共に4年)と一緒に部員全体に声を掛け、明るい雰囲気の中でも練習に取り組み姿勢や気持ちが緩まないように引き締めてきました」

主将としての責任は結果でも示した。予選会だけでなく、今季は5月の関東インカレ1部10000mで自己ベストを出し、その後も安定した結果を残し続けている。

前回の箱根は故障のため、出走の機会を得られなかった。今季はその反省から、予選会後は慎重にトレーニングと調整を進めている。箱根の出場経験はないが、不安はない。

「レースになれば初出場は関係ありません。練習と調整ができていればしっかり走れると思っていますし、スタートラインに立てば、すべてのチームの選手がライバルです。最近の山梨学院大は1区で流れに乗り切れていないので、そこでうまく勢いをつけられればシード圏内で戦えるはずです。自分が1区でその役目を果たしたいと思います」

今大会、これまでの「プルシアンブルー」から「C2Cブルー」とユニホームが変更される山梨学院大。2016年第82回大会以来のシード権獲得が目標だ。持ち味の安定感を発揮し、最後は100点の走りでチームを勢いづけたい。

 
まつくら・ゆいと◎1999年8月8日、宮城県生まれ。176cm・57kg、O型。将監中→明成高(宮城)。大学3年時の箱根駅伝予選会で全体35位の1時間02分37秒をマーク。2週間後の全日本大学駅伝で学生三大駅伝デビューを飾り、2区12位。主将を務める今季は、箱根予選会で再びチーム2番手の好走で本戦出場に貢献。続く全日本では日本学連選抜の一員として2区を走った。主力として期待された前回の箱根は負傷のため欠場。最初で最後の大会で快走を誓う。卒業後は三菱重工で競技継続。自己ベストは5000m14分10秒53(2019年)、10000m28分46秒35(21年)、ハーフ1時間02分37秒(20年)。

文/加藤康博 

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