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2022-01-14

【NFL】テキサンズのHCカリーも解雇、今オフのHC交替は全32チームの1/4、8人に

1年で解任されたテキサンズのカリーHC。情熱的なコーチングでチームをけん引したが=photo by Getty Images

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米プロフットボール・NFLのヒューストン・テキサンズは、現地1月13日(日本時間14日)、ヘッドコーチ(HC)のデビッド・カリーを解雇した。レギュラーシーズン終了後のHC解任は6人目で、シーズン中と合わせて、NFL32チーム中の1/4にあたる8人のHCが交代することになった。(写真はすべてGetty Images)

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 就任1年目のカリーは、来季も指揮をとるつもりでおり、最終戦の翌日に行われた会見でもその意向を示していた。ただ、13日にあったゼネラスマネージャー(GM)、ニック・カセリオとの会談で解任が決まった。カセリオはオフェンスコーディネーターのティム・ケリーを交代させようとしたが、カリーはスタッフを変えないことが来季続投の条件だったという。

 カリーと、ドルフィンズのHCだったブライアン・フローレスが解雇されたことで、NFLの黒人HCは、一時的に、スティーラーズのマイク・トムリンだけとなっている。

 解任されたカリーは以下のように語った。
 「ヒューストン・テキサンズのヘッドコーチでいることを、私は毎分毎分楽しんでいた。浮き沈みの激しいシーズンの中、私に付き合ってくれた選手やコーチたちに感謝している。もっと多くの試合に勝てなかったことや、学んだことを改善するチャンスがないことは残念だ。しかし、これがビジネスのボトムラインであることは十分に理解しており、私は十分なことができなかった」

オフェンスの専門家、若手QB育成能力に定評
1年で解任されたテキサンズのカリーHC。情熱的なコーチングでチームをけん引したが=photo by Getty Images
 カリーは1955年生まれの66歳。南部の名門、バンダービルト大で大学史上最初の黒人QBとしてプレーした。卒業後の1978年からコーチ業に入り、43年間で42シーズン、カレッジ7チーム、NFL6チームでサイドラインに立ち続けてきた。コーチとしてはほぼ一貫してオフェンスを指導してきた。2020年までの2シーズンは、レイブンズでアシスタントHC兼パッシングゲームコーディネーターとして、QBラマー・ジャクソンの成功に手を貸した。今季が、65歳にして、人生で初のHC就任だった。

 カリーは、山積した問題が解決しない限り勝ち目がないとわかっているチームを引き受けた。テキサンズはQBデショーン・ワトソンの「退団要求」がこじれており、さらに長年ディフェンスの中心だったJ.J.ワットも退団した。ドラフトでは1巡、2巡の指名権がなく、3巡でQBデービス・ミルズを指名した。ミルズは強豪スタンフォード大の司令塔で、長身と強肩という素材はそれなりに評価されていたものの、QBとしてプレーしたのはわずか14試合だった。

 当面の先発QBとして確保したタイロッド・テイラーはシーズン序盤で早くも故障。RBマーク・イングラム、WRアンソニー・ミラー、DEホイットニー・マーシラスら、頼りにしたい主軸も故障した。開幕第2週から8連敗を喫したが、バイウィーク明けは3勝5敗と盛り返した。
 
 QBミルズは、パサーズレーティング80以下が6試合、逆に120以上が3試合と、好不調の波が大きいのが課題だったが、試合によっては新人離れしたクオーターバッキングを見せた。プレーオフを視野に入れていたチャージャーズを破り、AFC第1シードのタイタンズと互角に戦った。

 ドラフトではQBとして8番目の指名だったミルズは、パス獲得距離2664ヤードで、トレバー・ローレンス(ジャガーズ)、マック・ジョーンズ(ペイトリオッツ)に次いでルーキー中3位。レーティングは88.8でジョーンズに次ぐ2位となった。特にシーズン終盤で調子を上げ、最後の5試合はパス1258ヤード、10タッチダウン(TD)、2インターセプト(INT)という数字を残した。単純に17試合換算すると、4277ヤード34TD7INTという成績になる。
ルーキーながら終盤で、好成績を残し、来季への期待が膨らむテキサンズQBミルズ=photo by Getty Images
 勝敗には恵まれなかったカリーは、年齢を考えればHCとしての登用はないだろう。しかしジャクソン、そしてミルズと、ドラフト前の評価は決して高くなかった若いQBの育成をアシストした実績は見逃せない。QBコーチとしては、うってつけの存在かもしれない。

【小座野容斉】

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